公益財団法人トヨタ財団

2021年度トヨタNPOカレッジ「カイケツ」講座参加者募集

(今年度の募集は締め切りました)

トヨタNPOカレッジ『カイケツ』のご案内

トヨタN POカレッジ「カイケツ」は、トヨタ自動車で長く取り組まれてきた「問題解決」の手法を学ぶ講座です。トヨタ自動車では、新入社員の時からこの手法を学びます。生産現場だけでなくあらゆる組織や事業に応用可能な手法です。

本講座では、社会的課題の解決に取り組むNPO等の非営利組織を対象に「代表者に仕事が集中する」「業務効率が悪い」「業務品質がばらつく」など、事業を進めていくうえで発生する問題を解決していく力を身に付け、地域や社会の課題解決の担い手としてより大きな成果を出していただくことを目的に「問題解決」手法を学ぶ講座を開催します。

講師を務めるのは、トヨタ自動車で長く品質管理に携わってきた古谷健夫氏( 元トヨタ自動車T Q M 推進部長)のほか、経験豊富な講師陣です。また「問題解決」の講座以外に希望者を対象にしたオプショナル講座も開催予定です。

講座概要

参加費 無料
※ 対面開催時には遠方(会場まで50kmを超える地域)からご参加の場合は、1名分の旅費を補助いたします。対象は、交通機関の利用に係る往復料金、および日帰りが出来ない場合の宿泊費(上限1万円)です。
定員 12団体(4団体×3グループ、1団体2名以上) 
※ 3名以上で参加希望の場合は事前にご相談ください。
申込方法 講座参加申し込みはこちら(今年度の募集は締め切りました)
参加条件 社会課題の解決に取り組むNPO等の民間非営利組織であること(法人格の種類や有無は問いません)
1名以上の常勤職員がおり、1年以上の活動実績があること自組織の業務上の課題をテーマとして取り上げ、課題解決に取り組むこと
1団体2名以上で全ての回に参加できること(同一人物での参加が原則ですが、やむを得ない場合は一部代理出席も可)

参加者は以下の条件に適う役職員であること
・代表者は、組織の代表理事や常務理事、理事を兼務する事務局長、センター長など、本講座で取り扱うテーマにおいて意思決定権を有する人材であること(本講座での学びを現場で実践し、組織の〈業務上の〉問題解決に取り組める人材であること)
・代表者以外の参加者として、次世代の中核人材やITスキルに長けた人材、本講座に対して学ぶ意欲の高い人材であること
・参加者のうち、最低1名は基本的なPCスキル(Word、Excel、PowerPointを用いた資料作成など)を有すること
申込締切 12月15日(水)までに参加団体を決定します。選考結果の通知は、「エントリーシート」に記載のE-mail宛にお送りします。
開催場所 (第1回) 新宿三井ビル 東京都新宿区西新宿2丁目1-1
(第2回~第6回) オンライン
オンライン説明会 オンライン説明会の詳細はこちら
チラシ こちらからチラシ(2447KB)をダウンロードできます。このリンクは別ウィンドウで開きます

プログラム

開催回 日時 会場 内容
第1回 1月19日(水) 10時〜17時
終了後懇親会
(予定)
@新宿三井ビル
29階会議室
・ガイダンス、参加者自己紹介
・「トヨタの問題解決手法」講義 8ステップ全体を学ぶ
講師 古谷健夫氏(株式会社クオリティ・クリエイション代表取締役)
・全体講座:テーマ選定と現状把握に向けて
第2回 2月22日(火) 13時〜17時 オンライン ・グループワーク/ディスカッション
・個別指導
・全体講座:現状把握・目標設定に向けて
第3回 3月23日(水) 13時〜17時 オンライン ・グループワーク/ディスカッション
・個別指導  
・全体講座:要因解析に向けて
第4回 4月20日(水) 13時〜17時 オンライン ・グループワーク/ディスカッション
・個別指導
・全体講座:対策立案と中間発表に向けて
第5回 5月25日(水) 13時〜17時 オンライン ・グループワーク/ディスカッション
・個別指導
第6回 7月27日(水) 13時〜17時 オンライン ・成果発表会

トヨタの問題解決

1~5までをグループ単位で個別指導を行い、7月の成果発表までに6対策実行~8標準化と管理の定着までを実践して頂きます。
テーマ選定: 改善したい課題を1文にまとめるステップ。テーマを読めば、改善の狙いが理解できるように表現します。「どこで」「何を」「どのように」の3項目を具体的に書きます。
現状把握: 問題が起きている事実を定量的に把握するステップ。事象をデータ化し、問題点を絞ります。主観ではなく、多くの客観的な事実を集めて定量的に整理します。
目標設定: 目標を設定するステップ。その目標を達成すると、選定したテーマを解決できるレベルに設定します。
要因解析: 原因についての真因を探るステップ。事象に対して、5回の「なぜ」を繰り返します。現状把握と混同して考えてしまいがちですが、現状把握では要因は書きません。事実だけをまとめます。
対策立案: 要因解析で見つけた真因を解決するための対策を立てるステップ。真因ごとに、「対策内容」「担当者」「期限」に分けて記入します。真因への対策をいきなり考えるのではなく、方向性を明確にしてから、アイデアを出していくことがおすすめです。
対策実行:
実行する対策の内容やスケジュールをまとめるステップ。
効果確認: 実施した対策内容によりどの程度効果が出たのかを評価するステップ。
標準化と
管理の定着:
効果の出た対策の内容を標準化し、定着させるステップ。同じ問題の再発を防ぐことができます。

講師プロフィール

株式会社クオリティ・クリエイション代表取締役
中部品質管理協会講師

古谷 健夫

1977年トヨタ自動車工業株式会社(現:トヨタ自動車株式会社)入社、TQM 推進部長、本社工場品質管理部長など歴任。2019年退社後、(株)クオリティ・クリエイションを設立して現在に至る。中小企業診断士。デミング賞審査委員。著書に『“質創造”マネジメント― TQM の構築による持続的成長の実現』中部品質管理協会編、監修・共著(日科技連出版社 2013年)がある。同じく『問題解決の実践: 働く喜びに溢れる社会を目指して』(日科技連出版社 2018 年)では、カイケツ受講生の事例も紹介している。

元日野自動車株式会社TQM推進室室長
中部品質管理協会講師

鈴木 直人

1980年日野自動車工業(株)(現 日野自動車(株))入社、海外事業本部、経営企画部等を経て、2000年よりトヨタ自動車(株)常駐。ここで約1年にわたり、トヨタグループ共同開発によるマネジメント改善システム「MAST」の開発に従事。その後日野自動車(株)にて、「TQM推進室」立ち上げを主動しその初代室長に就任。2021年9月に定年退職。中部品質管理協会講師となる。現在、各種審査・選考委員、講師などを通じ、種々企業支援に携わる。

のぞみ経営研究所代表
中部品質管理協会講師

中野 昭男氏

1973年トヨタ自動車工業(株)(現 トヨタ自動車(株))入社、生産設備の保全管理や一般企業向け改善コンサルティングを経験。(株)豊田自動織機出向時は、冷凍食品物流センターの立上げに参画。 トヨタ自動車(株)復帰後は、仕事の質向上やマネジメントの質向上の推進に従事。2011年定年退職し、のぞみ経営研究所を設立。中部品質管理協会講師となる。生産や物流を中心に国内外で支援を展開中。

2020年度の実績と具体的な内容

「カイケツ」では、約7カ月のプログロムを通して、問題解決のプロセスをA3用紙1枚にまとめます。2020年度は、12団体約16人が参加し、3グループに分かれてグループワークを中心に実施しました。「トヨタの問題解決」の8ステップ(左頁参照)に従い、「テーマ選定」から始まり、「現状把握」「目標設定」「要因解析」を行った上で「対策立案」をし、実際に「対策実行」以降のステップまで取り組んで頂き、その内容と成果について成果発表会で発表頂きます。

2020年度受講者の声

NPO法人presents代表理事

佐々木 隆紘さん

NPO法人presents代表理事の佐々木隆紘さんは、思いを共にする理学療法士の仲間らと2017年にNPOを設立しました。子育て支援や子どもの居場所づくりを通じて、子どもの自己肯定感を育む活動を続けています。一方で、スタッフは副業としてかかわっているため、代表の佐々木さんに業務が集中しがちな状況がありました。そこで、隙間時間でも取り組みやすい「広報業務」を題材に、「全スタッフの広報業務を強化するための仕組みの構築」を問題解決のテーマに掲げました。個別面談をしたり、目的意識を共有する場を持ったりしたことで、少しずつ組織が活性化してきたと言います。「問題解決に取り組むなかで、法人運営に重要な根深い問題に気付かされ、改善するきっかけになりました。私たちは、肉体的な健康だけではなく、『自分らしく』いられる心の健康に着目して活動しています。誰もが生まれた環境に関係なく、自分の可能性を信じられる社会を創造していきたいです」(佐々木さん)

佐々木さんがまとめたA3用紙には問題解決の一連のプロセスが記録されている
(PDFでダウンロードできます)
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