公益財団法人トヨタ財団

トヨタNPOカレッジ「カイケツ」

トヨタNPOカレッジ「カイケツ」第4期第1回レポート

kaiketsu
カイケツ


情報掲載日:2019年5月29日

トヨタの「問題解決」でマネジメントを向上

第4期カイケツの参加者ら
第4期カイケツの参加者ら

国内のNPO法人は5万を超え、社会課題を解決する担い手として期待値は年々高まっています。一方で、経済基盤がぜい弱だったり、オーバーワークに陥りがちだったり、組織が抱える課題は多いのが現状です。

そこで、トヨタ財団は2016年に「トヨタNPOカレッジ カイケツ」を開始しました。助成金を拠出するだけでなく、トヨタ自動車の手法を活用し、問題解決力を身に付けてもらうことを目的にしています。

トヨタの問題解決は、「テーマ選定」「現状把握」「目標設定」「要因解析」「対策立案」「対策実行」「効果確認」「標準化と管理の定着」の8ステップで進められ、A3資料一枚にまとめ上げるのが特徴です。

講師は、トヨタ自動車で長く品質改善に取り組んできたクオリティ・クリエイションの古谷健夫代表取締役、同じく元トヨタ自動車でのぞみ経営研究所の中野昭男所長、日野自動車TQM推進室の鈴木直人主査、中部品質管理協会企画部の細見純子次長の4人が務めています。

NPOも「働き方改革」を

受講の様子

美しい富士山を次世代に残すことをビジョンに掲げる認定NPO法人富士山クラブ(山梨県富士河口湖町)は1998年11月の設立以来、ごみ拾いや外来植物駆除活動など富士山の環境保全活動に取り組んできました。

富士山クラブの青木信子事務局長によると、専従職員5人でボランティア4000人を抱え、市民や行政からの期待に応えたいという思いからオーバーワークになりがちな運営体制になっているといいいます。そこで、「楽しく満足感を得られる仕事をNPOで実現したい」という思いからカイケツに参加しました。

カイケツでは、どのような働き方を目指すのか、なぜオーバーワークになってしまうのか、その視認と対策を考えていくことになりました。

いまの状態を「ありのまま」に認識する

受講の様子

第4期初日の5月13日には、古谷講師による講演「トヨタが取り組んできた問題解決――問題解決の実践で、より良い社会の実現を」も行われました。

古谷講師は「そもそも何のために問題解決するのか。それは自分のためではなくお客様に喜んでもらうため」と話します。この場合の「お客様」とは、消費者だけではなく、被支援者やボランティアなどさまざまなステークホルダーを含みます。

古谷講師は「しっかりと計画を立て、計画と実績の差異をメモすることが重要。そうすると、あとで振り返ることができる。いまの状態をありのままに記録しなければ、後でまた同じ苦労をしてしまう」とアドバイス。「問題なのは、問題があることではなく、それを隠してそのままにしてしまうこと。自分の役割を理解している人は、問題を解決するパワーがある。問題を解決していくことは、働く喜びにつながる」と強調しました。

「トヨタが取り組んできた問題解決――問題解決の実践で、より良い社会の実現を」
古谷健夫・クオリティ・クリエイション社長

第4期トヨタNPOカレッジ「カイケツ」が開講した5月13日、今年3月までトヨタ自動車の品質管理に40年以上携わってきた古谷健夫クオリティ・クリエイション社長が講演を行いました。講演内容の一部を紹介します。
こちらからご覧ください。

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