財団からのお知らせ
東日本大震災特定課題報告会を開催しました
情報掲載日:2014年2月25日
東日本大震災特定課題報告会を開催いたしました
2月20日(木)仙台市市民活動サポートセンターにおいて、復興庁をはじめとする、復興関連の団体の協力、後援をいただいて東日本大震災特定課題の報告会を実施しました。当日は、岩手、宮城、福島3県を中心におよそ50名の方にご参加いただきました。
トヨタ財団では、2011年よりの東日本大震災に関する助成を行っています。今回その中でも政策提言に関連する9プロジェクトより進捗状況や成果についてご報告いただきました。報告会は、「復興過程における人の暮らし」、「復興過程におけるインフラの課題」、「復興過程における参加の課題」という3つのセッションによる構成で実施されました。
復興まちづくりにおいては、これまでの制度、政策、価値観にとらわれない新たな発想も必要です。報告会では、生物多様性保全機能をもつ森の防波堤、木質チップを使用した道路舗装、居住者に負担をかけない仮設住宅・復興公営住宅のありよう、被災地の現状の変化に対応できるような参加型のデジタル地図の作製など、多様な提案がありました。
発表後の質疑では、参加者それぞれがご自身のコミュニティの現状や課題と照らした具体的な質問があげられ、復興に向けて多様な政策や情報に対するニーズの高さを感じました。
復興まちづくりにおける住民一人ひとりの声をどのようにすくい政策につなげるのか、住民同士、住民と行政の合意形成の困難さとそれを乗り越えるための方策などはいずれのプロジェクトにおいても共通したテーマだったようです。
また、今回の報告者は、みな外部専門家という立場で被災地復興に携わっている方々です。こうした専門家のもつ役割についても多様な示唆が提示されていました。
参加された方のお一人が終了後に「被災地には、研究者がたくさん調査に入っている。それぞれの研究成果が個別の学会で発表されているのでこうしてまとめて聞くことができるのは貴重な機会」と感想をおっしゃっていました。
当日のプログラムは、下記の通りです。それぞれの報告の概要については、各リンク先からPDFをご覧ください。
第1セッション 「復興過程における人の暮らし」
・復興公営住宅の住まいづくりとそれを取り巻くまちづくりへの提言(当日配布資料(161KB))
岩船昌起氏(鹿児島大学地域防災教育研究センター)
・福島第一原発事故の保健医療制度に対する中長期的影響に関する研究(当日配布資料(120KB))
成田祥氏(東京大学大学院医学系国際保健政策学)
・漁村集落におけるコンパクトな「集落内高台移転」の可能性(当日配布資料(131KB))
桑田仁氏(芝浦工業大学大学デザイン工学部)
第2セッション「復興過程におけるインフラの課題」
・東日本大震災被災地における木質災害廃棄物と地域木材活用プロジェクト(当日配布資料(130KB))
渡辺千明氏(秋田県立大学木材高度加工研究所)
・被災地における森の防波堤づくりプロジェクト提言のための実践的研究(当日配布資料(145KB))
村上雄秀氏(地球環境戦略研究機関国際生態学センター)
・地域生活交通の維持改善における住民の組織化および合意プロセスに関する実証的研究(当日配布資料(127KB))
若菜千穂氏(いわて地域づくり支援センター)
第3セッション「復興過程における参加の課題」
・東日本大震災後の地域復興にかかる重層的ガバナンス構造の再編に向けた実践的研究(当日配布資料(128KB))
佐藤彰彦氏(福島大学うつくしまふくしま未来支援センター)
・参加型による地図作成プロジェクトを通した復興支援の手法の確立(当日配布資料(279KB))
古橋大地氏(オープンストリートマップファウンデーション)
・住民の生活世界にもとづいた支援の視点からの対話と協働によるふるさと再生計画構築プロセス(当日配布資料(411KB))
延藤安弘氏(まちの縁側育み隊)