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10月19日(水)「国内助成プログラム」“同窓会”企画を実施しました

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国内助成プログラム
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財団開催イベント

情報掲載日:2022年12月20日

国内助成プログラムの説明

10月19日(水)に、新宿三井ビル29階会議室にて、トヨタ財団初の試みとなる、「国内助成プログラム(旧:地域社会プログラム)」の“同窓会”企画を実施しました。記念すべき初回のテーマは、「持続可能な地域・コミュニティづくりに込められた“スパイス”を探る」とし、ハイブリッド形式(対面&オンライン)にて行い、当日は全国各地から40名近い助成対象者や現/旧の選考委員、財団職員OB/OGの方々にご参加いただけました。

“同窓会”企画は、これまで「国内助成プログラム(旧:地域社会プログラム)」(以下、本プログラム)の助成対象として各地で活動を実施されている財団の“パートナー”である皆さんと、財団関係者(現/旧の選考委員やプログラム担当者等)が集い、本プログラムで長年掲げてきた「持続可能な地域社会・コミュニティ」の実現に向け、それぞれの知見や経験を共有し、共に学び合いながら相互の関係性を深め、協力・協働に向けた礎(アルムナイネットワーク)を日本国内に広く築いていくことを目的に、今後は(不定期ながら)年に複数回の開催を検討しています。

本プログラムでは、2000 年代以降、目まぐるしく変わりゆく社会状況に対峙する中で、その変化に柔軟に向き合いながら、自分たちの地域なりの持続可能な在り方を見据え、そのような地域を支えるコミュニティを育む仕組みづくりや担い手の育成手法を、全国各地でそれぞれの地域に暮らす一人ひとりを起点に地域の課題と向き合い、地域の未来を見据えて日々活動に取り組んでいる市民や研究者、企業、行政関係者等の多様なアクターから多角的に提案・実践いただくことを目的に助成事業を実施してきました。

プログラムの名称や助成の枠組みは、その時々の時勢や助成対象各位から得られた学びに基づいて度々の見直しを図ってきましたが、根底にある想いは当初からずっと変わっておらず、どのような事態や事象に直面しても“しなやか”に向き合っていける力や術を地域の人々が身に付け、主体的に地域や社会と向き合い、考え、行動できる人材が全国各地で育まれていくことで、市民一人ひとりが生き生きとした、活力ある日本社会の実現につながることを願ってやみません。

第1回となる今回は、私たちのメッセージを受け止め、共に歩んでくださった助成対象の皆様と共に、本プログラムでめざしてきた社会の現在地を確認し合い、持続可能な地域・コミュニティづくりに向けて地域や人々に変化を生む“スパイス”について、各人の経験や知見を持ち寄り、共に考えるべく、冒頭3名の方々に取り組みをご紹介いただき、その後、登壇いただいた3名の方を交え、会場とオンラインとに分かれて、「持続可能な地域・コミュニティづくりに込められた“スパイス”とは」をテーマに、グループに分かれてディスカッションを行いました。

事例報告

事例報告は、以下の3名に行っていただきました。

1人目は、山形県鶴岡市で活動されている井東敬子さん(鶴岡ナリワイプロジェクト:2014年度「一般枠」助成、2018年度「発信・提言」助成)です。
2人目は、岡山県西粟倉村で活動されている猪田有弥さん(にしあわくらモビリティプロジェクト:2018年度「しらべる」助成、2019年度「そだてる」助成)です。
3人目は、新潟県新潟市で活動されている小見まいこさん(みらいの学び創発ラボ:2018年度「しらべる」助成、2019年度「そだてる」助成)です。

Copyright © umi@グラレコ,2022
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発表の冒頭にお話しいただいた「自己紹介」では、それぞれのバックグラウンドや活動を始めるに至った背景、活動に対する想いを中心に、お話頂きました。

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次に、「活動紹介」では、それぞれ多様な資金源を活用しながら日々事業に取り組まれていますが、今回は時間の都合上、助成期間中の取り組みに絞って、活動をご紹介いただきました。

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最後に、今回のお題でもある「地域や人に変化を生むスパイス」について、各自のこれまでの経験を踏まえて、ご紹介いただきました。

今回「スパイス」というワードを設定した背景には、「地域や人に変化を生む」要素は必ずしも一つではなく、地域特性やプロジェクトのテーマ内容、プロジェクトチームの構成内容や事業の中核となる団体の得意とする分野等の数だけ多様にあるとの想いから、食材の品質や味・香りの変化、刺激を生む多種多様なスパイスにそれらを譬え、素材(地域や人)に変化を促し、より輝くスパイス(意識の変化を生むレバレッジポイント)が何なのか、という点をそれぞれの実践から共有いただきたいとの想いがありました。

事例をご報告いただいた3名から挙げられた「スパイス」も、類似するものもありますが、同じものは何一つない点はとても興味深く、取り組みの数だけ、手法も大切にされている想いも、レバレッジを利かせているポイントも異なることがわかり、このように改めて言語化していくことの重要性を再認識した次第です。

全体ディスカッション

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全体ディスカッションは、前半の事例報告内容を受け、自身の考える「変化を生むスパイスとは?」をテーマに、会場とオンライン参加者とに分かれて実施しました。限られた時間ではありましたが、参加者それぞれの実体験から導き出された「スパイス」の要素はまとめるのが困難なほど多岐にわたり、同時により深掘りしたいものもたくさん挙げられていたように思います。

今回の企画を通じ、多様な「スパイス」の存在や「スパイス」の有効な使い方が明らかとなりましたが、皆さんも、自分たちの取り組みにおいて何が地域や人に変化を生む「スパイス」となっているのかを今後もゆるやかに意識頂きながら、日々の気づきを今後の“同窓会(仮称)”企画の機会などに引き続き共有いただけましたら幸いです。

なお、次回は3月頃を目途に開催予定ですので、年度末のお忙しい時期ではありますが、ぜひ多くの現役およびOB/OGの助成対象の皆さん、本プログラムの関係者の皆さんにご参加いただけましたら大変嬉しく思います。

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