情報掲載日:2024年9月30日
トヨタ財団50周年記念事業特別インタビュー
環境活動から東南アジアでのフードリテラシーと野生食用植物の推進へ:アメリカ人研究者の変遷を辿る
取材 ◉ 利根英夫(トヨタ財団プログラムオフィサー)
執筆・翻訳 ◉ 岡村直人
京都大学のハート・ナダヴ・フォイヤー准教授は、故郷の米オレゴン州ポートランド市から中東、ヨーロッパ、東南アジアへと人生の旅を続け、2015年から日本に居を構えている。
農学および環境学への学問的関心から英オックスフォード大学へ留学して修士号を取得。その後、ドイツのボン大学に移り博士号を取得した。博士論文執筆にあたって、先住民のコミュニティにある伝統的な食文化と伝統医薬を研究するためカンボジアの奥深くまで入り込んでいった。
工業化と都市化の波の中で、カンボジアの少数民族は、野生食用植物の利用を含む伝統的な食文化の保存や若い世代への継承の点で困難に直面していることをフォイヤーさんは知った。現在、彼は食物教育を通じて先住民の人々が文化的伝統を存続し、自らのアイデンティティと慣習の一部である食行動に誇りを持てるよう尽力している。
京都大学内にあるオフィスで行ったインタビューで、アメリカでの若き環境活動家としての日々、東南アジアの先住民の食物に関する異文化交流研究プロジェクト、そして将来の抱負についてフォイヤーさんに語ってもらった。
助成対象プロジェクト
- プログラム
- 2016年度 国際助成プログラム
- 企画題目
- 都市貧困地域の家庭とコミュニティにおける栄養、健康、ワーク・ライフ・バランスの改善に果たす引退世代の貢献
- 助成番号
- D16-N-0121
- 助成期間
- 2016年11月~2017年10月
- 活動実施国
- マレーシア、カンボジア、日本
- 企画概要
- 世代を越えて継承される食知識への敬意は、東アジアでは等しく共有されているわけではない。アジアの非常に躍動的な都市部での生活に適したアドバイスを年配者に求めるのは無理だと考える人も多いからだ。そこで、本プロジェクトでは、3つの目標を定めた。(1)引退世代の食知識を都市生活の現状にどう適応させるのか。(2)家族やコミュニティにおいて食生活や生活様式へのネガティブな影響に引退世代はどう対応するのか。(3)引退世代の知られていない価値を向上し、コミュニティや国の政策、多国間のプログラムにおいて彼らの存在感を高める。
- プログラム
- 2022年度 国際助成プログラム
- 企画題目
- 健康で生物多様性に富んだアジアのフードシステム構築に向けた「ワイルド・ガーデン(自然植生の農園)」の活用―科学と少数民族をつなぐ越境的・学際的プラットフォーム
- 助成番号
- D22-N-0087
- 助成期間
- 2022年11月~2024年10月
- 活動実施国
- マレーシア、台湾、カンボジア
- 企画概要
- 歴史的に少数民族が大切にしてきた野生食用植物(Wild Edible Plants, WEP)は、今日の脱工業化社会でも人気が高まってきている。しかし、特に貧しい地域において野生食物は「野蛮なもの」という固定概念が残っている。本プロジェクトでは、アジア5か国の科学者、少数民族のパートナー、地元の団体と学際的に取り組み、土着のワイルド‧ガーデンを作ることにより、現代社会における野生食物の社会的価値とアクセス性を高めることを目指す。ワイル ド‧ガーデンは先住民の地域環境知(LEK)の価値を認め、先住民同士の相互理解を促し、現代の生活や食に関する新たなビジョンに野生食物を取り入れることを可能にするものである。
研究者としての始まり、西洋から東洋へ
正式には、フォイヤーさんは自身を農学研究者であるという。農業関連分野でのキャリアの発端は、アメリカで環境活動家として平和的な抗議集会を組織していた時に遡る。大学卒業後、法的または科学的な知見の提供やコミュニティ自ら人的リソースを築く支援を通じて、各地域コミュニティが甚大な環境問題の脅威に対応できるようサポートする団体で働き始めた。「ある意味、それが私にとっての始まりです。エンパワーメントという方法に関する初期の訓練であり、それは今日まで続いていると思います。環境運動がきっかけで生態学的な問題について学ぶようになりました。自然農法が入り口になったわけです」とフォイヤーさんは語る。
その後、フルブライト奨学金を得て、イスラエル南部にあるアラバ環境研究所で1年間学ぶことになった。同研究所では、農業や生態学的研究、平和学を統合したプログラムを提供している。フォイヤーさんは、イスラエル、パレスチナ、欧米諸国出身の学生たちと共同生活をしながら、イスラエルの高度なテクノロジーを用いた農業と平和構築への取り組みについて学ぶ機会を得た。
実は、彼にとってイスラエルは全くの異国ではなかった。子どもの頃、両親に連れられて同国に移住したからだ。3年間住み、ヘブライ語と母語である英語を話しながら育った。イスラエルもアメリカも移民国家だが、両国の間には食文化の面で顕著な違いがあるとフォイヤーさんは考えている。イスラエルでは各国からもたらされたさまざまな料理の混ぜ合わせ(ハイブリッド化)が見られるが、アメリカではそれほど顕著には見られない。「アメリカ料理って何かと問えば、さまざまな文化がブレンドされたものではないんです。日本やタイやイタリアの料理が混ぜ合わされたものではありません。イスラエルでは、多くの混ぜ合わせが見られます。外国から多くの物を持ち寄って、それらを混ぜ合わせる。素晴らしいことだと思いました」と述懐した。
子どもの時と20代の時にイスラエルで経験したことが、その後、東南アジアの少数民族同士の異文化交流プロジェクトへと、彼の研究を方向付けるきっかけとなった。
2006年から2008年にかけて、ジャック・ケント・クック財団から奨学金を得て英オックスフォード大学で修士号に向けて持続可能な農業について学んだ。同大学で過ごした2年間の中で、有機米やパームシュガー、伝統医薬などの伝統的な農産物について研究するためにカンボジアに赴き、これらの農産物を近代化し、次世代に向けてより身近に感じられるようにする方法について調査を行った。
しかし、そこで彼が目の当たりにしたのは、カンボジアの人々は伝統的な農産物はあまり使わず、効率という名の下で工業型農業で生産された物を摂取していたことだ。「次世代のことを考えると、危機感を覚えました。カンボジア人は、パームシュガーはあまり使わず、精製された白砂糖を多く使っていました。伝統的な農産物をより効率化し、環境面での持続可能性を向上する方法を理解したいと思いました」と話した。
この経験から、フォイヤーさんは伝統的な農産物を博士号の研究対象にするとの考えに至った。その後、消費者や料理といった消費に関わる領域や、食文化の発展の方により注力するようになる。なぜなら農業と消費を関連付ける必要があると理解したからだ。「伝統食に対する需要がなければ、それ自体消えてしまうでしょう。これは根源的な問題です。次世代のことや、彼らに食のシステムについて関心を持ってもらう方法について考えなければならないと理解するに至ったきっかけでした」。
博士号では、この分野で研究を続けてきたドイツ在住の指導教官を見つけ、ボン大学で研究を続けるためにドイツに移ることに決めた。そこで、東南アジアを含むグローバルサウスの国々から学びにきている研究者たちと会う機会を持った。彼らは留学後に国へ帰り、母国に貢献することを望んでいたのだった。このような出会いから、フィリピン、ベトナム、台湾など野生食用植物のプロジェクトに現在一緒に取り組んでいる研究者仲間や友人たちとの人脈を築くことができた。
博士プログラム研究でも、多くの時間をカンボジアで過ごし、辿り着くのが難しい、遠く離れた地域にいる孤立した少数民族コミュニティに入り込もうと努めた。他の冒険と同様に、この調査も多くの困難を伴うものだった。フォイヤーさんはデング熱やマラリアに罹患し、大変な苦しみを味わった。
そのような危険な目にあい、当初は少数民族の人たちからも敵視されたにもかかわらず、フォイヤーさんは怯むことなく、地元の少数民族コミュニティに多くの友人を作ることに成功した。彼らに受け入れてもらったと感じてから分かったことだが、倫理に反する研究活動が他の研究者によって以前からなされていたのだ。「コミュニティで暮らしてしばらく経ち、自分がここに最初に訪れた外国人研究者ではないことを知りました。以前にも研究者が訪ねて来て、植物を記録し、古くから伝わる本を複写し、そして去っていったわけです」と当時のことを語った。
そんな研究者の一人は、少数民族コミュニティ内の伝統的なヒーラーから古くから伝わる医薬書を持ち去り、二度と戻ってこなかった。フォイヤーさんはそのことを知り、愕然としたのだった。彼は、そのフランス人民族植物学者がオーストラリアにいることを突き止め、医薬書を返すように迫った。「滞在期間中、他にも同じような事例を多く発見しました。研究のためなら搾取することを厭わなくなるんです。ショックで残念でした」と素直な気持ちを語った。このような事実を知り、倫理的な基準を順守しながら研究を行うことの重要性を改めて思い知ったのだ。
野生食用植物 (WEP) を研究対象に
英オックスフォード大学で2015年に開かれた学会で、フォイヤーさんはマレーシアから参加していた研究者に会う。その内の一人が、食事と文化の関係を考察するガストロノミーや食文化のおもてなし面での研究に従事していたエリック・オルメド博士だった。今では緊密に連携している研究者仲間の一人でもある。伝統食には多くの儀式的な側面があり、それらは接待文化としてのホスピタリティに容易に取り入れることが可能だ。フォイヤーさんは、ホスピタリティは観光客だけでなく若者により幅広く食文化を伝えていく手段であることに気付き、食文化の分野へと引き込まれていった。「野生食用植物は、最も根源的な意味で、食文化と農業を興味深い形で繋げていると考えました。野生食用植物こそ、元からある地域の伝統食だからです」と語り、多くの地域において野生食用植物は深く根付いた伝統的な食物だと強調した。
しかし、近年、プランテーションの設営や天然資源の破壊から、先住民の人々は野生食用植物を見つけることが困難になってきており、自らの文化の一部を失う危機にあるのではないかと懸念を抱いている。「そこで、森林を保護し、知識を持つ先住民の人々をも守り、彼らの食文化を奨励し、ある種の持続可能な農業も促進するような形で野生食用植物に関する啓蒙活動などを推し進めることにしました。これらの目標を全て一度にです」とフォイヤーさんは熱く語った。
一人の研究者として、フォイヤーさんは、食用植物を見極め、医薬的また栄養学的な効果を計ることを通じて先住民の人々を支援することが、彼自身の役割だと考えている。「それは、科学者しかできないことですから。私たちは下支え的な存在なんです」。それによって、少数民族の人々が植物の効能をより自信を持って語れるようになるという。
フードリテラシー、コロナ禍での挫折
トヨタ財団から最初の助成を受けて、フォイヤーさんは2016年に若者と食文化、そして世代間での食知識の継承をテーマにした助成プロジェクトを開始した。
その当時、フードリテラシーという考え方が世界各地で普及しつつあった。フードリテラシーとは、複雑かつグローバルな食物システムを理解する上での個人、家庭、コミュニティが用いる知識やスキル、行動を示している。この考え方によって、伝統料理が果たす将来的な役割をしっかりと見出すことが可能になる。「この考え方を採用したのは、子どもたちがどんどん成長するなかで、フードリテラシーを身に付けずにいると、将来的に食物について自分で決めることが難しくなってしまうからです」とフォイヤーさんは懸念を露わにした。
2018年から2019年、カンボジアで300人ほどの小学生を対象にフードリテラシーを測る試験的な調査を実施した。日本でも同様の調査を京都市内の小学生を対象に行い、カンボジアと日本の子どもたちのフードリテラシー比較調査を試みた。しかし、予想だにしなかった挫折を経験する羽目になる。世界中でコロナウイルスの感染が拡大し、学校訪問することも、食物に関連する活動を行うことも、ほぼ不可能となってしまった。
日本から出国することが不可能となったので、野生食用植物をもっと入手しやすくなる方法を試すようカンボジアにいるパートナーに働きかけた。野生食用植物の苗床を作り始めた研究者もおり、それらを栽培して増やしていく方法を見つけようとした。当初はさまざまな困難があったものの、コロナ禍だったこともあり、実験を重ねる多くの時間があった。このようにしてカンボジア国立バッタンバン大学で野生食用植物のプロジェクトは始まり、それが後になって大変な成功を収めることになった。「今では、同大学のプロジェクトは、カンボジア中のワイルド・ガーデン(自然植生農園)に野生食用植物を供給するまでになりました」とフォイヤーさんは誇らしげに語った。
一方、フォイヤーさんはカンボジアの教育・青年・スポーツ省に今後の学校給食プログラムの中でフードリテラシーを育成するよう助言している。カンボジアも多くの世帯が核家族化してきており、親たちは地域の食物に関する知識を子どもたちに教えるのが難しくなってきているなか、食育を行って欲しいと学校教育システムに対する圧力が強まっている。だからこそフードリテラシーを推進し、カンボジアで学校給食プログラムを促進する必要性があるとフォイヤーさんは考えている。「学校給食プログラムを始めれば、地域農業を支援するだけではなく教育のためにも役立ちます。カンボジアが、学校給食プログラムに教育を加味した良いお手本または試験的な地域となれれば、他の東南アジア諸国にもすぐに広めることが可能になるでしょう。少数民族コミュニティ内に学校があれば、野生食用植物を学校給食の中に取り入れることだってできるはずです」。
また、東南アジアの若者たちの間で郷土料理への関心が高まってきている。伝統的な食材を用いる有名人シェフの影響もあり、昨今、若者たちが郷土食に誇りを持つようになってきている。「若者たちこそがこのような知識を次世代に継承していくと思いますし、そう信じています。彼らの基本的なフードリテラシーの維持に努め、郷土料理に誇りを持てるようにすることができれば、必要な食材が手に入るようにすればこのプロセスを研究者としてサポートできます」とフォイヤーさんは話した。
少数民族同士の文化交流
カンボジアでフードリテラシーの向上に取り組むだけでなく、2022年に始まったトヨタ財団の助成を受けたプロジェクトを通じて、フォイヤーさんは東南アジア各国の先住民グループ間で異文化交流を行うプロジェクトにも着手した。若い時にイスラエルで経験した文化の混ぜ合わせから、文化的な出会いや関わり合いから何か生み出されるものがあると考えていた。「少数民族の人たちを一同に集めれば、意気投合しお互いに共有できるものがあるはずですし、事実、多くのものを共有できました」とフォイヤーさんは話す。
2024年3月、エリック・オルメド博士など他のアジア諸国の研究者仲間と共にカンボジアに集まり、健康的で植物多様性に富む食物システムを作り、先住民の地域環境知(LEK)の有効性を確認するために用いる野生食用植物の農園の進捗状況をつぶさに見た。カンボジア、マレーシア、フィリピン、台湾そしてベトナムから少数民族の人々がこの研究ツアーを兼ねた文化交流イベントに参加した。
多くの先住民族の人々は、自分たちが社会の主流派の市民たちからどのように見られているかについて複雑な思いを抱いており、自らのアイデンティティに対する誇りをどう表現すればよいか迷っている、とフォイヤーさんは説明する。他のアジア諸国の少数民族の人々と交流することで、自分たちの独自性を安心して表現することができるようになる。「他の少数民族のいる前では、自分たちを卑下することもなく、アイデンティティを示すことを恥じ入ることはありません。実際、ありのままの自分に正直でいることが良いことだと分かったんです」。
さらに、フォイヤーさんや他の研究者のような外部の識者との交流を通じて、カンボジア先住民の人々の自分たちの伝統食に対する意識が変わったのだった。「歴史的に、少数民族の人たちは自分たちの食物を卑下してきました。誇りを持てずにいたことは非常に残念です。でも、研究者グループが彼らに食事を作って欲しいと頼むと、彼らの意識が大きく変わります。心を広いて共有するようになり、改善方法をより批判的にかつ創造的に考えるようになりました」とフォイヤーさんは力説した。
たとえば、カンボジアとフィリピンの少数民族の人々は同じ野生植物であるラタン(籐)を用いる。カンボジアでは食用にする一方、フィリピンでは籐を編みこんてカゴなどを作るのに用いる。フィリピンからの参加者にとって、籐を食べることは目が開かされる経験となった。文化交流を通じて、お互いから学ぶことが可能となったのだ。フォイヤーさんは、このようなでき事を「素晴らしい瞬間」だと感じている。「異なる少数民族の人々が野生食用植物について意見交換する多くのチャンスがありました」と語った。
トヨタ財団助成の意義
これまでフォイヤーさんと研究者仲間は、トヨタ財団からの助成を受けて東南アジアで食物に関連する3つのプロジェクトを実施して来た。「プロジェクトは若者を対象にしたものから始まり、彼らが誇りを持って追求していく料理の開発にどのように貢献するかで終わります」とフォイヤーさんはこれまでの経験を包括した。
しかし、少数民族の人々はリソースの点で大きな制約を抱えているのも事実だ。直接的な支援がなければ、多くのことは成しえない。だからこそ、トヨタ財団から受けたような助成は物事の方向性を変える「変革が起こる時」になっていると彼は考えている。「助成がなければ、飛躍的なことは起こりません。想像以上のことをするためには、大胆かつ野心的なことをするためには、ある種のサポートが必要なんです」。
「倫理的な観点からすると、私たち研究者としての責任は彼らのリスクを少なくすることです。彼らはいかなるリスクも取る必要はありません。自発的に多くの時間や知見を提供してくれているのですから。私たちにできるのは、円滑でリスクが低いプロセスにすることくらいです。支援者でありたいんです」とフォイヤーさんは語った。
フォイヤーさんの夢、今後の展望
今後、自発的で社会変革を起こしたいと考えている新たなパートナーを見出すことを検討している。「取り組みを拡大する主な目的は、新たな視点や熱意を持っているグループを招き入れることです。私自身にとって、次のステップは単に拡大するだけはなく、イノベーションや新たなアイデアを実験することです。だからこそ色んな人々に参画してもらいたいと思います」と話した。
彼や研究者仲間が、協業を検討している研究グループがラオスにいる。東南アジアでは、植物サンプルをラボ解析するには、一般的に欧州や日本、香港に送る必要がある。しかし、このラオスの研究グループは、学生を訓練して野生食用植物のラボ解析を自国で行えるプログラムを展開している。「変革の立役者になるでしょう。ラオスは野生食用植物のラボ解析を行う地域の中心になる可能性があります。ラオスは小国なので、そうなれば素晴らしいことです。どういう訳か、ラオスは大変熱意をもって取り組んでいます」とフォイヤーさんは期待を抱いている。
カンボジアでの研究について、フォイヤーさん自身の夢は、もっと多くの若者に食用野生植物など地域の食物に関心を持ってもらい、伝統的な食文化を長く未来に存続させることだ。カンボジア国内で学校給食システムに関する教育を導入することで、子どもたちが食物システムについて考え、地域の自然農法や伝統食をサポートするチャンスになる。
「カンボジア国内や学校のある少数民族コミュニティに給食プログラムを導入することで、給食の中に野生食用植物を取り入れることができます。そうすれば、地元の経済支援にもつながります。一言でいえば、伝統食を好きになることで守り、大切にするようになれるはずです。そうすれば、伝統を尊重しつつ現代風にアレンジしていけるのではないでしょうか」とフォイヤーさんは今後の抱負を語った。