研究助成プログラム
seikabutsu
成果物(書籍・論文・映像等)
情報掲載日:2021年7月20日
2018年度研究助成プログラムの助成プロジェクト「農福連携において労働者の自律性を高めるために―産消提携の経験を援用する試み」(代表者:綱島洋之氏、D18-R-0360)より報告書が出版されましたのでご案内いたします。
~以下、助成先プロジェクトから報告書についてのコメント~
仕事づくりを試みるときに、人手不足の分野に目を付けることは以前から定石です。そして今、人手不足が進む農業分野で仕事をつくろう、農業分野と福祉分野が連携しようということで「農福連携」が注目を集めています。
実は以前から釜ヶ崎でも、いくつかの案が浮かんだり消えたりしてきました。編者も2011年から、大阪府柏原市にある耕作放棄地を活用して農園を開設し、野宿労働者や就労に困難を抱える若者と一緒に、野菜を栽培したり販売したりということを試みてきました。そして、高齢の野宿労働者と就労経験に乏しい若者が協働することで新たな可能性が生まれるという貴重な経験が得られました。
しかし、案の定いくつかの課題に直面した。技術的な問題もさることながら、そもそも何のための仕事づくりなのか。なぜ農業分野でなければならないのか。つまり、目的意識が参加者やその他関係者の間で共有されているとは言い難いのではないか。そこで釜ヶ崎で有意義かつ長続きする取り組みのために何が必要かを議論する機会を設けようと考えました。本企画では、釜ヶ崎にゆかりがある実践の経験を共有したうえで、農福連携の先進事例を率いておられるお二人の講師にお話を伺うことにしました。
この企画の内容を採録し、後日談を付け加えたものが本報告書になります。