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プロジェクト成果物レポート

『ニホンミツバチが暮らす島――対馬の伝統養蜂をめぐる旅』が出版されました(研究助成プログラム)

情報掲載日:2014年12月22日

いま、を生きる

本冊子は2012年度研究助成プログラムの助成対象プロジェクト「「遊び仕事」としてのニホンミツバチ伝統養蜂が地域生態系保全に果たす役割」(代表者:溝田浩二氏)の成果物として出版されました。

助成対象プロジェクトは、長崎県対馬市の方々が副次的生業、いわゆる「遊び仕事」として営んできたニホンミツバチの伝統養蜂について調査を行うものです。「遊び仕事」は、経済的には「頼りにならず」、成果や収穫は「あてにならず」、作業としては「けっこうきつい」。一方、楽しさにはまると「なかなかやめられない」という側面を持ち合わせています。また、対馬の伝統養蜂には生態系の保全・再生に重要な役割を果たしているという点も見出されます。本プロジェクトは、ニホンミツバチの伝統養蜂における「遊び仕事」としての豊かさ、また地域生態系の保全・再生における貢献について明らかにすることを目指しました。

溝田氏は助成期間中20回以上現地に渡り、副次的生業であるはずの伝統養蜂に内包された人々の知識、技術、知恵を聞き取り、さらに、その自然生態系の保全・再生への貢献を解明し、研究成果を関連学会や対馬の方々に向けて発信しました。その一環として、環境教育のプログラムを作成し、伝統養蜂の「遊び仕事」としての魅力、豊かさを継承してほしいと願い子供たちに向けて実践しました。

本冊子はその環境教育プログラムの実践のために作成され、内容は、ミツバチの世界、対馬の伝統養蜂、未来の愛蜂家を育てたい、という3章から構成されています。伝統養蜂は、1500年もの間対馬の自然と風土に支えられてきた文化であり、愛蜂家たちは人と自然との結びつきの中で生み出された知識、技術、知恵によって豊かさを享受してきました。しかし、近年伝統養蜂の担い手が高齢化し、次世代への継承が課題となっています。この環境教育教材を作成し、教育プログラムを実践した経験が活かされ、今後も養蜂の伝統と豊かさが継承されるようさまざまな働きかけがなされていくことが期待されます。

助成プロジェクトの概要は、助成対象検索ページより【溝田 浩二】で検索してください。

書名 『日本ミツバチが暮らす島――対馬の伝統養蜂をめぐる旅』
著者 溝田浩二
発行者 宮城教育大学・環境教育実践研究センター
発行年月日 2014年9月30日
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