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プロジェクトイベント・シンポジウムレポート

「福島発世界へ〜マーシャル諸島現地調査報告会」が開催されました(研究助成プログラム)

情報掲載日:2014年10月9日

イベント・シンポジウムレポート

「福島発世界へ〜マーシャル諸島現地調査報告会」が開催されました(研究助成プログラム)

学生からの報告

2014年10月5日(日)、福島市の「コラッセ福島」で「福島発世界へ〜マーシャル諸島現地調査報告会」が行われました。

この報告会は、2013年度研究助成プログラムの助成プロジェクト「福島発世界へ――世代を超え未来につなぐ被ばく体験のアーカイブ化とネットワーク構築――超学際、超地域、超世代で取り組む協働実践型研究を土台にして」(代表:藍原寛子氏)により企画され、日本平和学会「3.11」プロジェクトとの共催で開催されました。

助成プロジェクトは、東日本大震災による福島県での原発事故を風化させないため、世代、国・地域、専門性を超え、被害者の体験を見つめ、共有していこうとする企画です。具体的には、福島・宮城、原爆投下地の広島・長崎、原水爆実験地のマーシャル諸島の住民から、福島をはじめとする日本各地の若者が被爆の体験を聞き書きし、住民との交流を深め、彼らに学んだ知恵や教訓を広く、特に次世代を見据えて発信します。研究者、ジャーナリスト、高校教員などのプロジェクト・チームは、住民の証言の分析・アーカイブ化を通じ、被害の実態を把握し、内外の人びとに示していくことをめざしています。

報告会の前半では、本年3月、米国による水爆実験の60周年記念行事の開催を機に、マーシャル諸島を訪れ、聞き書きを行った大学生・大学院生が、現地で学んだことについて報告しました。マーシャル諸島の人びとが、終わりのない被害の苦しみのなかで、家庭や学校、地域で、どのように被ばくの体験を語り継ぎ、共に生き抜いてきたのか、さまざまな証言が得られ、ひとつひとつのインタビューや、交流イベントなどへの参加の機会が、学生たちに強烈な印象を残したようでした。

プロジェクト・メンバーからの報告

後半では、プロジェクト・チームのメンバーが、前半の各報告について補足を行った上で、今回の訪問が現地で大変歓迎され、大きな注目を集めたことなどが報告されました。メンバーの感じたところでは、マーシャル諸島の人びとの間では、日本に対し、海を挟んだ隣人としての意識が強く、そのため、特に原発事故後の海洋汚染など、福島の問題への関心も大きいということでした。

2015年5月には、福島県いわき市で「第7回太平洋・しまサミット」が開催され、太平洋島嶼地域の首脳が日本に集まります。これらの隣人とどのようにつながっていくのかということは、福島の未来を考える上で重要な課題であり、プロジェクトでは、このような機会をターゲットに、積極的に情報発信を仕掛けていきたいという意欲が表明されました。

報告会には約30名の参加者が集まり、学生やプロジェクト・チームの報告に、活発に質問が寄せられました。終了後、会場を移して懇親会が開催されましたが、そこでも学生やメンバーを囲んで、話が盛り上がりました。

プロジェクトの概要については、「助成対象者検索ページ」から「藍原  寛子」で検索してください。

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