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プロジェクトイベント・シンポジウムレポート

東ティモールでのフィールドワークに参加しました(国際助成プログラム)

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    イベント・シンポジウムレポート

情報掲載日:2017年5月10日

去る4月の上旬、2016年度国際助成プログラム採択案件である「換金作物栽培地域における循環型有機農業の実践に向けた若手農家リーダーの育成プロジェクト」(D16-N-0157/代表者:箕曲在弘)において実施された、東ティモールでのフィールドワークに一部同行させていただきました。

このプロジェクトは、フィリピン、ラオス、そして東ティモールの小規模農家たちが相互に学びあいながら交流を重ねることで、各地で実践されている農業のあり方やさまざまな取り組みを体得しながら、それぞれの地域に合った形で活用・波及させることを目的としています。

今回のフィールドワークに先立ってフィリピンへの訪問は実施済みであり、東ティモール訪問は本プロジェクトにおける2回目の交流ということになります。約1週間にわたって行われたプログラムのうち、私が参加できたのは後半の3日間でした。宿泊は首都ディリから車で山間の悪路を飛ばして約2時間、訪問地はそこからさらに車で1時間半、エルメラ県に位置する小さな村です。フィリピン、ラオス、東ティモール3ヵ国からの参加メンバーは皆、自らの地域で農業に従事する若手の小規模農家たちです。中には、本プロジェクトでの訪問が初の国外というメンバーも。

各国メンバーの問題意識としては皆、フィリピンはサトウキビ、ラオスと東ティモールはコーヒーという単一換金作物頼りのリスキーな収益構造であるため、いかにこの状況から脱却し、持続可能で安定的な農業モデルに組み替えていけるのかというのが喫緊かつ共通の課題です。

こうした共通課題が存在する一方、フィリピンは循環型有機農業と農場経営の経験、ラオスはコーヒー栽培の技術、東ティモールは地域における環境保全のノウハウにそれぞれ一日の長があり、相互の訪問を通して学びあいが期待できるという仕組みになっています。実際、滞在中ぎっしりと詰め込まれたプログラムの中では、例えば村独自の水資源管理のあり方の見学や、土や牛糞を使った即席コンロ製作講座で、フィリピンとラオスのメンバーが興味深くその内容を学ぶ一方で、コーヒー農園では逆に、ラオスメンバーが東ティモールメンバーに(iPadで写真や映像を示しながら!)そのノウハウを伝授するといった相互交流が行われました。一日の終わりに必ず行われる振り返りのセッションも、体験を一時的なものに終わらせないという意味で、とても有意義なものでした。

もう一点、フィリピン、ラオス、東ティモール各国メンバーの積極的なプロジェクトへの参画が不可欠なのは言うまでもないのですが、同時に「触媒役」の存在の大きさも改めて浮き彫りとなりました。本プロジェクトでいえば(特活)APLAの寺田氏(フィリピン担当)、櫻井氏(ラオス担当)、そして野川氏(東ティモール担当)という若手スタッフが触媒者となって連携を取りつつ、ときに各国メンバーを叱咤激励しながらエネルギッシュにプロジェクトを進めている姿が印象的でした。良くも悪くも、彼ら無しには本プロジェクトは存在し得なかったでしょう。こうした各国を繋ぐ触媒としての日本の国際協力NGOの役割は、今後ますます重要になってくるのかもしれません。

これからコーヒーの収穫期を経て、本プロジェクト最後の訪問地はラオス、9月頃になる予定です。この間、今回の経験をどのように吸収して自らの地域に活かされるのか、楽しみにしたいと思います。なお、本プロジェクトの概要についてはこちらこのリンクは別ウィンドウで開きますからご覧ください。(楠田)

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