プロジェクト成果物レポート
NPO法人緑の地球ネットワーク(以下GEN)より「中国黄土高原における 草の根環境協力22年の歩み」が発行されました。
情報掲載日:2014年1月6日
本冊子は、当財団の2012年度アジア隣人プログラム特別企画の成果物として制作されました。冊子には、1992年から黄土高原に属する中国山西省大同市の農村で緑化協力を続けてきたGENの活動の歩みの中で直面した数々の課題やその解決プロセス、今後の展望を含めて、具体的に考察されています。
環境条件が悪く、歴史問題に根差した厳しい対日感情が残る地域での、国や文化を超えた協働の取り組みには、国際協力に携わる団体として、分野を超えて共有される理念やノウハウが感じられます。毎年150〜250名のボランティアを現地へ派遣するという、日本国内での協力者の巻き込みに関する活動や、現地のニーズに寄り添い、学校へ通えない子どものケアを含んだプロジェクト立案など、ひとつひとつ積み上げてきた成果が現地との信頼関係と両国での「成功事例」としての評価につながっているといえるのではないでしょうか。
一方で、国内会員の減少や組織内の世代交代が進まない現状、政治・経済面での日中関係の変化など、実務レベルの活動だけでは解決できない課題についても言及されており、現在日本の国際協力団体が直面している多様な課題が階層別に示されています。そんな中、たとえ小さな規模でも相互理解と信頼関係のあるところに継続した活動が生まれるという実感が、今後の活動に向けたひとつの指針となっているのではないかと感じました。
冊子のPDFはこちらからご覧ください。
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