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財団イベント・シンポジウムレポート

アジア隣人プログラム特別企画「未来への展望」キックオフワークショップを開催しました。

情報掲載日:2012年12月21日

 2012年12月18日(火)当財団の事務所がある新宿三井ビル44階の会議室にてアジア隣人プログラム特別企画「未来への展望」のキックオフワークショップ「実践者の学びあいとつながりから描く『未来への展望』」を開催しました。

ミニシンポジウム写真

 特別企画「未来への展望」は、国際協力NGOを中心としてアジア各地で実践活動をしてきた団体がその経験を振り返り、組織内外の関係者と共有すること、さらにその過程で明らかとなった知見や未来に向けた提言を報告書としてまとめ、広く社会に発信する企画に対して助成するプログラムです。

 日本の中でも実績のあるNGO団体を中心に国内外19の団体へ助成を行います。

 トヨタ財団では、今回の特別企画で、個別の助成プロジェクトが提示する成果はもとより、その総和からアジアと日本の関係のありかた、とりわけ民間の国際協力の分野で今後、アジアと日本がどのような関係を構築していくことができるのかその展望が見えてくるのではないかと期待しています。

 そのような期待のもと、今回の助成事業では、財団と助成対象との1対1の関係のみならず、助成対象者の間にも重層的なネットワークを形成したいと考えており、今回のワークショップもそうした取り組みの一環として開催しました。師走の忙しい中でしたが、15団体から22名の方にご参加いただきました。

 参加団体は、活動年数が50年以上という歴史のある団体から10年未満という若い団体まで、活動分野も保健医療、環境、まちづくり、農村開発等々と幅広く、日本のNGOの縮図のような集まりとなりました。

 ワークショップは、はじめに国際協力NGOセンター(JANIC)事務局長山口誠史氏より「日本のNGOの課題とその克服に向けて」と題したプレゼンテーションが実施され、日本のNGOの置かれた状況について皆で共有しました。

ミニシンポジウム写真

 山口氏のプレゼンテーションに続いて、参加団体による団体紹介、4つのグループに分かれてのグループワークと展開し、今回の助成により各団体がめざす成果とその発信、「特別企画」全体としてのとりまとめと発信の方法、今後の進め方について議論をしました。

 個別プロジェクトの進め方としては、「パートナーシップ(お互いさまの関係)」、「相互理解」を大切にすべきだという点があげられ、その実現のためにどうすればよいのかということが共通課題となっていました。具体的に出てきた意見としては、「現場を見て事実をきちんと確認することが重要」「理念も大事だが、そこに至る現実的なステップを共有することが大切である」「共有と共感は違う」「ファシリテーターの役割が重要」「事前準備をしっかりする」などです。

 ワークショップの最後には、コメンテーターの熊岡路矢氏(元JANIC副理事長、日本映画大学教授)より、特別企画の成果への期待として「パートナーシップ」、「政策提言」、「社会発信」という三つの点でコメントがなされました。また、今回の企画を通じて、欧米のNGOとは違った「日本のNGOの特徴」が抽出できるのではないかそんな期待もあげられました。
 

 10時から17時という長丁場のワークショップでしたが、ワークショップの後半には、本音で議論する場面も見られ実り多い場となりました。助成する側である我々としても「パートナーシップ」という言葉について改めて考える機会となりました。

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