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財団イベント・シンポジウムレポート

助成プロジェクト報告会「関係性の中で育まれるコミュニティ―地域に開かれた仕事づくりを通じて―」を開催しました(国内助成プログラム)

情報掲載日:2014年10月2日

関係性の中で育まれるコミュニティ―地域に開かれた仕事づくりを通じて―

ミニシンポジウム写真 写真展「未来に残したいわたしたちの風景」の様子

9月28日(日)、アーツ千代田3331において、トヨタ財団国内助成プログラム助成プロジェクト報告会「関係性の中で育まれるコミュニティ―地域に開かれた仕事づくりを通じて―」を開催いたしました。
本報告会は、2014 年度の公募テーマ(「未来の担い手と創造する新しいコミュニティ―地域に開かれた仕事づくりを通じて―」)の理解促進と助成対象者同士やこのテーマに関心がある参加者との交流を目的として開催したものです。報告会の第1部では、これまでの助成プロジェクトの中から、プロジェクトを通じて地域で様々な仕事やその担い手を生み出している4 団体の方々にご報告いただきました。第2部では、つながりの中で生み出される仕事や働き方、コミュニティ経済の在り方・可能性について、内山節氏(哲学者・立教大学大学院教授)と萩原なつ子氏(2014 年度国内助成プログラム選考委員長・日本NPOセンター副代表理事)にご対談いただきました。
当日は、過去の助成対象者を中心に、約60名の方々が来場され、報告会や対談のほか、同時に開催した「未来に残したいわたしたちの風景」写真展にて、各地の美しい景色をご覧いただきました。

贈呈式フォト シンポジウムの様子

第1部の事例報告では、
1) 牧野安雄氏(特定非営利活動法人コラボふくい代表)が「『復古越前若狭!安心・安全おすそ分け倶楽部』プロジェクト」
2) 吉野立氏(特定非営利活動法人地域福祉ネット副理事長)が「高齢者・障害者による、中心市街地空き店舗と郊外休耕地を活用したまちなか&農家の共生コミュニティプロジェクト」
3) 阿部結悟氏(一般社団法人ふらっとーほく理事)が「地元住民による『よそもの・わかもの』を活用した、『居場所』『チャレンジ』『地域の宝の発見』の土台づくり」
4) 糸長浩司氏(ツシマヤマネコ共生村研究会会長)、神宮正芳氏(田ノ浜ツシマヤマネコ共生農業実行委員会会長)そして山村辰美氏(NPO法人ツシマヤマネコを守る会会長)が「絶滅危惧種ツシマヤマネコと共生した農業再生・地域再生」
について、それぞれプロジェクトの概要、助成期間終了後の展開、地域内外の資源の活用を通じた地域に根差した仕事(働き方)づくりの可能性と実現のための課題を紹介していただきました。
各事例報告の概要については、こちらPDFファイル(200KB)をご参照ください。
報告後には、個別の事業や支援の集め方などについての質疑応答が行われ、会場のみなさまは、特にどのように事業を持続的に続けていくかという点に関心をよせられていたようです。

懇親会写真 内山節氏(左)と萩原なつ子氏(右)

第2部の対談では、第1部の報告を踏まえ、「地域に根ざしたこれからの働き方―関係の中にある仕事」というテーマで内山氏と萩原氏の対談が行われました。内山氏は、現代社会が抱えている問題や向かっている方向性、またこれからの働き方や、人間と自然の関係などについて、お住まいの群馬県上野村の例を交えながら今必要とされる視点を提示され、参加者は興味深く聞き入っていました。また萩原氏は、全国各地の「地域に開かれた仕事」の事例を紹介され、参加者にとってよい刺激とヒントをとなったようです。対談で特に印象的だったのが、内山氏が群馬県の総合政策を5年から100年にするように提言し、100年後に何を残したいかという視点を取り入れたというお話でした。これは、キャリアや事業を選択する上でも非常に参考になる視点ではないでしょうか。なお、この対談の詳細につきましては、後日ホームページに掲載する予定です。

報告会終了後には懇親会が行われ、発表者と対談者、参加者の間で活発に意見が交わされました。発表者も参加者も活動分野が違えど共通の課題や想いをお持ちのようで、今回の報告会で得られた学びや気づき、出会いを通じ、それぞれの活動にとってよい効果がもたらされるのではないかと思いました。(国内助成グループ 加藤)

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