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プロジェクト成果物レポート

「琉球のことばの書き方 琉球諸語統一的表記法」が出版されました(研究助成プログラム)

情報掲載日:2015年11月12日

本書は、汎用的な表記法がないために地域や人によって多種多様な表記が使われてきた琉球諸語(あるいは琉球諸方言)において、個々の方言の表記をする際の指針として欲しいとの思いから作られたものである。統一的な表記法を示したうえで、北から南まで11の方言の表記例を示している。
本書については内容自体がこれまでにないものであるということもあるが、トヨタ財団の助成を受けたプロジェクトの成果をもとにしているという特徴もある。プロジェクトの立案段階から考えると、約20名の言語研究者が協力して5年の歳月をかけてできあがったものなのである。多数の研究者がかかわって作られたという事実は、表記法を使おうという人に安心感を与えることになるだろう。表記体系が使いやすく設計してあることはもちろんなのだが、表記を使い始める際にはそのような安心感こそが重要だとも考えられる。
本書の出版によって方言による単なるメモ書きをはじめ、手紙、日記、方言教材、文学作品など様々なものが将来にわたって生み出されることが期待される。学術的にも、定まった表記で書かれた方言の文献資料が将来に残される可能性を高めたという意味で歓迎すべき本である。

尚、プロジェクトの代表者で本書の編者でもある小川晋史さんが、言語を未来へ伝えていくことの意味について、トヨタ財団の広報誌JOINT12号に記事を寄せています。是非、併せてご覧ください。

助成プロジェクトの概要は、助成対象検索ページより【琉球諸語】で検索してください。

題目 「琉球のことばの書き方 琉球諸語統一的表記法」
著者名 小川 晋史
出版社名 くろしお出版
発行年月 2015年11月
ISBN 978-4-87424-675-7 C0081
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