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プロジェクトイベント・シンポジウムレポート

「全国コミュニティ財団フォーラム2015 〜米国コミュニティ財団の取り組みと日本の実態調査からこれからの地域の資金循環を考える〜」と題するイベントが開催されました(社会コミュニケーションプログラム)

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    イベント・シンポジウムレポート

情報掲載日:2015年7月2日

発表の様子

2015年6月30日、龍谷大学にて、(一社)全国コミュニティ財団協会の主催により「全国コミュニティ財団フォーラム2015 〜米国コミュニティ財団の取り組みと日本の実態調査からこれからの地域の資金循環を考える〜」と題するイベントが開催されました。南は沖縄県、北は宮城県まで、14のコミュニティ財団関係者ならびに今後コミュニティ財団の設立を考えている地域の関係者30名が集まりました。本会は、トヨタ財団社会コミュニケーションプログラムの助成により実施されたものです。

冒頭には、会長の深尾昌峰氏より、現在社会的機能としてコミュニティ財団への期待が高まっていること、社会的投資に注目が集まる中、その流れをいかにローカライズ化していくかがコミュニティ財団が求められる役割であることが話されました。

その後、あいちコミュニティ財団木村真樹氏より「社会的投資に関する最新事情について」、日本政策金融公庫江木信介氏より「日本政策金融公庫との連携について」、地域創造基金さなぶり鈴木祐司氏・わかやま地元応援基金有井安仁氏より「アメリカにおけるコミュニティ財団の動き」が紹介されました。それぞれの内容について以下簡単にご紹介いたします。


■あいちコミュニティ財団・全国コミュニティ財団協会副会長 木村真樹氏

「社会的投資に関する最新事情」

・休眠預金活用やソーシャル・インパクト・ボンドなど資金の新しい流れがある。
・こうした中で民間の非営利活動も今まで以上に成果が求められる。7月より「成果指向の補助・助成金検討
 会議inあいち」を開催する。
・地域にいる高齢者が亡くなると資金がさらに地域から流出する。遺贈をどう寄付につなげていくか。
・本年12月より寄付月間がスタートする。寄付月間の地域化が重要。


■日本政策金融公庫 江木信介氏

「全国コミュニティ財団協会と日本政策金融公庫の連携について」 

・全国コミュニティ財団協会と日本政策金融公庫が連携し、各地でソーシャルビジネスの支援を実施する。


■地域創造基金さなぶり・全国コミュニティ財団協会副会長 鈴木祐司氏
 わかやま地元応援基金・全国コミュニティ財団協会理事 有井安仁氏

「アメリカにおけるコミュニティ財団の動き」

・アメリカには、約750のコミュニティ財団がある。
・コミュニティ財団の役割として1.資産形成(寄付等による活動資金の獲得)、2.資金提供、3.地域社会におけ
 るリーダーシップ、4.融資や投資の活用が提示されている。地域リーダーシップという視点が重要。
・アメリカでは、コミュニティ財団のナショナルスタンダードを策定している。日本でも議論が必要。


こうした話題提供の後、各地のコミュニティ財団現在の取り組みと課題が共有されました。最後に社会的認証開発推進機構専務理事平尾剛之氏より現在進められている非営利組織の認証評価についての紹介があり、閉会となりました。

社会状況が大きく変化する中で、公的資金だけで地域課題のすべてに対応すること難しくなってきます。地域で民間の資金を循環させ、自らの地域の課題を解決していくことは今後ますます必要になってくると思われます。現状では、まだまだ資金の地域外流出の流れをとめることはできません。深尾氏の言葉を借りれば「地域が地域としてあり続けるために」コミュニティ財団のような組織が資金と人と知恵をつなぎあわせ、各地域で独自の取り組みを発展させていくことが喫緊の課題と考えます。

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