HOME  >  2018年以前の助成情報  >  国際助成プログラム  >  2014年度国際助成プログラム  >  財団からのお知らせ  >  トヨタ財団共催「多文化共生フォーラム in Nagoya」が開催されました(国際助成プログラム)

財団からのお知らせ

トヨタ財団共催「多文化共生フォーラム in Nagoya」が開催されました(国際助成プログラム)

情報掲載日:2014年8月29日

トヨタ財団共催「多文化共生フォーラム in Nagoya」が開催されました(国際助成プログラム)

開会挨拶をする矢野秀則理事長

8月23日(土)と24日(日)、名古屋市の名古屋国際センターで「多文化共生フォーラム in Nagoya:多様性がもたらす豊かな地域社会へ」が開催されました。

日本では多様な背景を持った、外国とつながりのある人が増えています。その多くは長期にわたって日本に暮らし、地域社会の一員となっています。トヨタ財団では1990年代より、多文化分野の研究や活動に助成を行っており、2013年度から実施している国際助成プログラムでは中心テーマの1つとして「移民の社会的包摂」にも焦点をあててきました。また、助成対象者や有識者、実践者による研究会も開催し、日本及びアジア各国に関する課題を検討してきました。本フォーラムはその成果として企画・開催されたものであり、(公財)名古屋国際センターとトヨタ財団の共催で、内閣府、総務省、外務省、愛知県、名古屋市、自治体国際化協会の後援を受けて開催されました。

講演をする田村太郎氏

1日目は「今日からはじめる多文化共生」と題して、名古屋国際センター矢野秀則理事長の挨拶で開会した後
■ にしゃんた氏(羽衣国際大学准教授)による創作落語「タブンカ共生にっぽん」
■ にしゃんた氏とサヘル・ローズ氏(女優・タレント)、田村太郎氏(ダイバーシティ研究所代表理事)の3者によるパネルトーク「多様な人たちが活かされる社会へ」
■ 田村氏による講演「『多文化共生』の果たしてきた役割とこれからの課題」
と、盛りだくさんの内容でした。どれも笑いのあふれる中にも、外国から来た人の感じている違和感や悩みが伝わる内容でした。当日は悪天候であったにも関わらず、一般の方を中心に200名を超える方々が来場されました。

2日目冒頭の挨拶をする遠山敦子理事長

2日目は「多文化共生の未来」として、多文化に関する実践者や政策担当者を主な対象とする内容で、当財団遠山敦子理事長の挨拶で始まり、その後
■山脇啓造氏(明治大学教授)による基調講演「総務省多文化共生プランから8年:地域からはじまる次の一歩」
■3分科会に分かれての報告とディスカッション
1.公教育のなかの挑戦 モデレーター:小島祥美氏(愛知淑徳大学准教授)
2.政策とコミュニティ 同:明石純一氏(筑波大学准教授)
3.『つなぐ』人 同:菊池哲佳氏(仙台国際交流協会)

基調講演をする山脇啓造氏

■全体会「新たな地域コミュニティの創出に向けて」
■「未来の地域コミュニティに向けた名古屋メッセージ」採択
最後は矢野理事長の挨拶で閉会となりました。この日も北は宮城・福島から、南は鹿児島・沖縄まで100名を超える方々が参加され、日本全国の事例報告、海外(韓国・台湾・フィリピン)からの参加者によるコメントと、中身の濃い議論が続けられました。

分科会の様子

2日間の議論では、「外国人を『支援対象』として見るだけではなく、多様性を持つ地域を構成する存在として考えていくべき」、「多様な主体が連携し、実践を積み重ね、それを広げていくことが必要」、「このようなフォーラムも、10年先、20年先は外国につながりのある人が中心となるべき」など様々な意見が出ました。
参加者の方々からは「自治体関係者、当事者、NPO、研究者と立場を超え意見交換できたことで、自分の地域の課題もまた再発見することができた」、「この分野の現時点での課題が浮き彫りになっていた」などのご意見をいただきました。

全体会では各分科会で挙がった意見をモデレーターが発表した

「未来の地域コミュニティに向けた名古屋メッセージ」案を読み上げ、採択決議をした

助成財団であるトヨタ財団にとって、このようなフォーラムの開催はあまりないことですが、同じテーマに取り組む国内外の人たちが集い、議論・交流する中で何かを発信していく場を作ることは、助成活動との相乗効果も期待できるのではないかと感じました。貴重な機会を与えてくださった共催者の(公財)名古屋国際センターはじめ、参加者、関係者の皆さまに感謝いたします。(国際助成グループ 青尾)

※名古屋メッセージのPDFはこちらからご覧いただけます。
(発表資料等は後日当ウェブサイトにアップロードする予定です。)

このページのトップへ