財団イベント・シンポジウムレポート
国際助成プログラム 助成金贈呈式・シンポジウムを開催しました
情報掲載日:2014年10月21日
10月17日、ハイアットリージェンシー東京にて、トヨタ財団の2014年度国際助成プログラム助成金贈呈式・シンポジウム「学びあいから共感へ:アジアと日本の新たなつながり」を開催しました。
2014年の国際助成プログラムは、インドネシア、ヴェトナム、タイ、日本、フィリピンを対象に、高齢化、多文化、環境と3つの大きなテーマに沿ったプロジェクトへの助成を行うものです。このシンポジウムでは、本年度の助成対象者やご出席いただいた関係者の方々に対し、国際助成プログラムを通じた財団の狙い、そして今後の展望をご理解いただくことを目的としました。
冒頭、トヨタ財団プログラムオフィサーの青尾から、プログラムの趣旨等をご説明しました。国際助成プログラムの狙いは、先に挙げた3つの「アジアの共通課題」をテーマに、1. プロジェクトへの助成、2. テーマ別研究会の開催、3. 国際シンポジウムなどを通じた発信、という相互に関連する事業を行うことで、国境やセクターの枠に縛られない「共感をベースにした学び合い」を促進し、課題解決に貢献することです。
トヨタ財団からの趣旨説明に続いて、昨年当財団が助成し、さらにそれを発展させる形で今年度も継続して助成させていただく安里和晃氏(京都大学特定准教授、【D13-N-0086 /D14-N-1001】)と松浦正浩氏(東京大学特任准教授、【D13-N-0123/D14-N-1003】)、またテーマ別研究会等でご尽力いただいた明石純一氏(筑波大学准教授)の3名にご登壇いただきました。助成対象のお2人からのプロジェクト内容報告に続いて、青尾のモデレートのもとでトークセッションが行われ、プロジェクトの経験、あるいは研究会を通じた学びが共有されました。
いずれの登壇者も、財団の役割が助成金を出すということに限らず、助成対象者同士、あるいはこれまでつながりのなかった国内外の専門家や実践者をつなぐハブとして、トヨタ財団が大きな役割を担っていることを評価するご意見をいただきました。
松浦正浩氏(東京大学特任准教授)
安里和晃氏(京都大学特定准教授)
明石純一氏(筑波大学准教授)
末廣昭氏(東京大学社会科学研究所教授)
トヨタ財団理事長の遠山敦子
助成金贈呈書授与
休憩を挟み、国際助成プログラム選考委員長の末廣昭氏(東京大学社会科学研究所教授)より、「新興アジアを見る4つの視点と日本の関わり方」と題するご講演をいただきました。末廣氏は「生産するアジア」、「消費するアジア」、「老いていくアジア」、「疲弊するアジア」という4つの視点から、特に後者の2つの面で日本とアジアが共通した課題に直面しており、その解決のためには共に学び合う必要があること、そしてそれがまさにトヨタ財団の国際助成プログラムの方向性である点を指摘されました。
続く贈呈式では、ご講演をいただいた末廣昭国際助成プログラム選考委員長から選考結果の報告がされた後、2014年度の国際助成プログラム助成対象者の皆様にトヨタ財団理事長の遠山敦子から贈呈書が授与されました。助成対象者の皆様からは一言ずつの抱負が述べられました。
これからプロジェクトを開始される皆様には、今後1年あるいは2年にわたってよいネットワークを築き、それをもとに充実した成果を挙げていただけることを期待します。同時に、共に学ぶパートナーとして、財団としても出来る限りサポートをさせていただくとともに、相互に学び合うことができればと考えています。
2014年度の国際助成プログラム助成対象につきましては、こちらの一覧表をご参照ください。