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プロジェクトイベント・シンポジウムレポート

「ブリッジエーシアジャパン(BAJ)設立20周年記念フォーラム『草の根でつなぐアジア〜これから必要な支援とは〜』」が開催されました。(アジア隣人プログラム)

情報掲載日:2013年5月16日

イベント・シンポジウムレポート

「ブリッジエーシアジャパン(BAJ)設立20周年記念フォーラム『草の根でつなぐアジア〜これから必要な支援とは〜』」が開催されました。(アジア隣人プログラム)

4月13日(土)に、BAJ設立20周年記念フォーラム『草の根でつなぐアジア〜これから必要な支援とは〜』が開催されました。本フォーラムは、当財団2012年度アジア隣人プログラム特別企画「未来への展望」の助成の一環で開催されたものです。特別企画「未来への展望」は、国際協力NGOを中心としてアジア各地で実践活動をしてきた団体がその経験を振り返り、その過程で明らかとなった知見や未来に向けた提言を報告書としてまとめ、広く社会に発信する企画に対して助成するプログラムです。

今回のフォーラムは、ブリッジエーシアジャパン(以下BAJ)が設立20周年を迎えるにあたり、活動地域であるベトナム、ミャンマー及び東北で活動するメンバーを一堂に集めて、互いの活動報告を共有し、これからのアジアに必要な開発や支援など、各地で共通して考えるべき事柄を見つめ直す機会として開催されました。フォーラムとそれに先駆けて行われた2日間のフィールドトリップで得られた知見を今後の事業に活かすと共に、秋頃には冊子としてとりまとめる予定です。フォーラムは3部構成となっており、第1部では東北での支援活動の事例が、BAJ東北担当スタッフ新石氏及びパートナー関係にある地元団体「おらが大槌夢広場」「さんさんの会」の視点から報告されました。以下、報告のポイントを紹介します。

<BAJ東北担当より>
・ 国際協力NGOであるBAJが国内支援を行うことへ議論があったが、海外の現場スタッフから、震災のような時こそこれまでのノウハウを活かすべきという強い声があがったことが契機となった
・ BAJとしては初めての「パートナーシップ型事業」であり、その利点や課題も多く見えてきた
<パートナー団体より>
・ 団体の基盤がまだ弱い段階では、BAJのノウハウや組織的なサポートによって活動が推進できた
・ ニーズが変化していく中で課題にぶつかることもあったが、コミュニケーションを取りながら乗り越えることができたのはありがたかった

発表後の座談会では、支援において重要なポイントとして、働く場の創出、信頼関係(行政、地元の人とのコミュニケーションの場)、長期的関わり、第3者の視点等があげられました。

第2部はアジアからの報告ということで、片山氏(BAJベトナム駐在)、森氏(BAJミャンマー事務所代表)より、ベトナムとミャンマーの事例が発表されました。

<ベトナム事例報告>
・ 都市部での12年にわたる成果として、子どもが中心になって道を直したり、集合住宅のゴミの分別をするなど自分たちの地域を守る意識が芽生えている
・ 都市の子どもが放課後を有意義に過ごす機会を創出、都会と農村の子どもの交流機会も提供している
<ミャンマー事例報告>
・ 多様な民族が暮らす地域ならではの難しさがあり、事業配分・人材育成等のバランスを取ったり、意識的に中立的立場を維持している
・ ニーズに合ったアプローチが成功の秘訣であり、そのためには住民とのコミュニケーションと持続性への支援が必要

第3部は、「これからのアジアに必要な支援とは」と題し、パネルディスカッションが行われました。
BAJの根本代表をモデレーターに、中村氏(龍谷大学)、森氏、片山氏が登壇し、1部、2部に共通するキーワードを基に議論が展開されました。
印象に残ったキーワードとして、「行政・政府との連携のあり方」「長期的アプローチの重要性」「人を育てる」「依存と自立の問題」などが取り上げられており、20年の活動から得られた知見や成果に加え、「依存」をマイナスと捉えるのではなく上手に依存しあう(頼りあう)関係があってこそ自立もできるのではないかという意見も聞かれました。

「これから必要な支援とは」という問いへの明確な答えはなかなか出ないと思いますが、BAJを含むいくつかのNGOの経験交流を拝見し、「パートナーシップ型支援」というのが大切なキーワードになっていることを感じました。ベトナム、ミャンマーから来日した現地スタッフも発表や質疑に加わり、フォーラムに先立つ東北フィールドトリップでも濃密な交流が行われた様子がうかがえました。
(国際助成グループ笹川記)

当該プロジェクトに関する詳細は、こちらの助成対象検索からD12-N-0105で検索してください。

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