HOME  >  2018年以前の助成情報  >  国内助成プログラム  >  2018年度国内助成プログラム  >  財団イベント・シンポジウムレポート  >  9/14(金)公募説明会@福岡を開催しました(国内助成プログラム)

財団イベント・シンポジウムレポート

9/14(金)公募説明会@福岡を開催しました(国内助成プログラム)

  • 国内助成 ctgr02 ctg02 ctg07

    イベント・シンポジウムレポート

情報掲載日:2018年9月19日



9月14日(金)19時~21時福岡市にある公益社団法人九州経済調査会(以下九経調)が運営する会員制のライブラリーBIZCOLIの交流ラウンジにて認定NPO法人アカツキと当財団の共催で「トヨタ財団『国内助成プログラム』公募説明会 in 福岡+「地域課題解決に取り組む市民活動団体のための調査技術入門セミナー」を開催いたしました。約40名の方にご参加いただきました。

国内助成プログラム説明

はじめに当財団プログラムオフィサーの喜田より国内助成プログラムについて説明させていただきました。特にしらべる助成を立ち上げた背景やしらべることの意義として「課題の可視化」「関係者の巻き込み」という点について事例を踏まえてご紹介いたしました。

終了後の質疑では以下の2点について質問がありました。

Q:事業の持続可能性は問われるか?

A:選考の際に重視される。持続可能性は事業ごとに多様なので、正解はないが、助成期間終了後の計画はきちんと記載していただく必要がある。特に人件費等の管理費については、プロジェクト期間限定なのか、継続して必要であればどのように充当するのか選考委員会で議論となるポイント。

Q:他財源とあわせて実施する事業でもよいか。

A:問題ない。予算の費目欄で他財源についても記載していただく欄がある。

「地域課題解決に取り組む市民活動団体のための調査技術入門セミナー」

講師の原口尚子氏


つづいて、九経調研究員の原口尚子さん(認定NPO法人アカツキ会員)による「地域課題解決に取り組む市民活動団体のための調査技術入門セミナー」が行われました。

はじめに「調査とは、自分の考え(現状の方向性)と現実との答え合わせ」と説明がありました。その後、具体的な調査手法や留意点についてのレクチャーがありました。以下、ポイントを紹介します。



【先行研究をよむ】

・インターネットでのキーワード検索のコツは「キーワードを広げる、言い換え」
・キーワードさえ、自分の思い込みがあることを忘れない。
・アンケートをとるまえにわかる内容がある。


【具体的な調査の方法】

アンケートとヒアリング

<アンケート>
・あくまで単純化された傾向までしか見ることができない。
・一定量の回答数が必要となる。
・アンケート単独ではなくヒアリングや統計分析などで情報を補足したほうが良い

<ヒアリング>
・回答内容に偏りがみられる可能性がある。
・キーマン・先駆者を探し当てて聞くと早い
・やさしく威圧的でない質問からスタート


その他調査計画の立て方やアンケートの作成方法などご自身の経験に基づく具体的な方法についてご説明いただきました。最後のまとめでは、「丁寧に調査を計画して実施することで結果的に、事業実施の際に自信がつく」という言葉があり、調査に不安を持たれている参加者にとっても励みになったのではと感じました。

質疑応答

以下会場から質疑をご紹介いたします。

Q:聞き手の人数は?

A:業務に余裕があれば2,3名位が良いのではないか。

Q:記録の取り方。PCかメモか。

A:特には決めていない。早く記録が必要な時はPC。状況によって判断。

Q:調査の楽しさ、面白さとは。

A:①わからないことがわかる。調査という名目でいろいろな話を聞かせてもらえる面白さがある。

②市民や企業への調査などでは数字では見えない、最先端の話を掘り起こすことができる。事前に読める資料を読んで、すでに明らかになっている情報と自分で聞きたいポイントを整理しておくと深い話が聞ける。

Q:これまでの調査での失敗経験は?

A:アンケートの設問が聞きたいことと合わず結局ヒアリングしたほうが良いということになった。ヒアリングは、最初はむつかしい。場数を踏んでいく必要がある。

Q:アンケートの回答率を上げる秘策はあるか。

A:1件1件電話してお願いしたことがある。送っただけだと忘れられてしまうこともある。

Q:企業にアンケートを送る場合「●●社御中」で送ると回答者によって答えが変わってしまうと思う。答えてもらいたい人に答えてもらうにはどうしたらよいか。

A:代表に答えてもらいたい場合は、代表の名前を書いて送る。ホームページで担当者の名前が掲載されている場合は名前を書いて送る。また、事前に電話して「どなたに送ったらいいでしょうか」と聞いてから送るケースもある。

Q:明らかにしたい仮説に対する問いを設定すると「誘導質問」になってしまう。

A:関係ない人に回答者になった気分でまずは回答してもらう。複数人に何回かパイロットで実施するとよい。

Q:施策の成果・達成度を明らかにしたい。

A:「できた」「できない」で達成度を明らかにする設問はむつかしい。「できた」をかみ砕いて設問するとよい。例えば活性化施策であれば「参加人数が増えたか」と設問するなどと施策の成果の達成度を定義する。

Q:高齢者のアンケートはどうしたらよいか

A:対面のアンケートも良い。あとは、文字の大きさ、回答の仕方をわかりやすくするなどを工夫する。また、タイミングも重要。相手の状況を考えながら調査の方法なども選択する。

Q:引きこもりの方など本人の意思やアプローチできない層へのアンケートはどうするとよいか。

A:ご本人によく携わっている保護者の方に聞くなどの方法がある

Q:一人親のお母さんたちが本当に困っていることを聞く良い方法は?

A:ピアサポートをしている団体や集まりに行ってまずはヒアリング。目的をしっかりと理解していだくと答えやすい。ツールの回答しやすさと心理的な回答しやすさがある。その点をまず考えたほうが良い。

Q:アンケートの信頼度をあげるには?

A:助成団体や自治体など共同する相手の名前・信頼を借りる。例えば、自治体等からの受託調査と共同調査の場合は、自治体の封筒で送ると効果的。

このページのトップへ