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財団イベント・シンポジウムレポート

『NPOによる市民の参加促進研究WS』を開催しました(国内助成プログラム)

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    イベント・シンポジウムレポート

情報掲載日:2018年7月6日

 6月30日(土)リファレンス大博多ビル(福岡県福岡市)にて特例認定NPO法人アカツキこのリンクは別ウィンドウで開きますに企画・運営をご協力いただき『NPOによる市民の参加促進研究ワークショップ』を開催しました。

 トヨタ財団では、国内助成プログラムの見直し・検討を進めていく中で、地域や社会の課題解決に向けては広い市民の参加が必要であるという認識を持ち、今後「市民の参加促進」をテーマに市民活動の現場で活動する人々との対話を重ねていきたいと考えています。

 本会は、福岡県内のNPO等、24名が集まり、市民参加をテーマにコーディネーションやマネジメントの工夫を共有するとともに、NPOにとっての市民参加の意義について議論しました。

『NPOによる市民の参加促進研究WS』

【事例報告】

認定NPO法人SOS子どもの村JAPAN 事務局長補佐 藤本正明さん

事例報告は、以下の2名の方からご報告いただきました。

認定NPO法人SOS子どもの村JAPAN このリンクは別ウィンドウで開きます事務局長補佐 藤本正明さん
NPO法人タウンモービルネットワーク北九州このリンクは別ウィンドウで開きます 総務担当職員 濱田千夏さん

■子どもの村

子どもの村では、ボランティアが「こぼら」というグループを結成し、自発的な活動も展開しています。ボランティアのオリエンテーションでは、ボランティアマネジメント上の失敗談も含めて共有し、それを理解した上で参加してもらっているそうです。ボランティアが集まれる場所、食事、気にかけてくれる人、ボランティア同士のコミュニティなど居場所としての機能を大事にしているとのことでした。

■タウンモービル

タウンモービルでは、ボランティアではなく、大学生をインターンとして受け入ています。インターン期間中は、プログラムを定型化して受け入れています。インターン期間終了時には「成績表」を渡し必ずフィードバックをすることを心掛けているそうです。チームワークを醸成し、チームでの目的共有、チーム内でリーダーをちゃんとフォローするような声がけ(ラインにはちゃんと返事しようね!)などを大事にしているとのことでした。

 
両事例とも、試行錯誤しながら丁寧に参加者と向き合い、小さな工夫を積み重ねています。ボランティアコーディネーションは、こうした小さな工夫の積み重ねが重要なのだと気づきました。

【グループワーク】

グループワークの様子

事例報告後のグループワークでは、参加する層(「リタイア層」「学生」等…)と時間軸(「募集時点」「問題が起きた時」等…)ごとに互いの実践している工夫や気を付けていることを共有しました。

【ダイアログ 「NPOにおける市民参加をどう考えるか」】

様々な論点が提示されました

最後は参加者が車座になり、NPOにおける市民参加をどう考えるかというテーマで対話をしました。以下、当日のコメントをいくつか紹介します。


・参加と事業の成果のバランスをどのように考えたらよいか。

・ドアは開けっ放し、ただし階段は急に。誰でも来てもいいけど、ただし個々の条件などを理解した人だけOKとするとバランスをとりやすい。

・当事者性が喪失されている社会。社会問題について、私は解決者ですという捉え方をして、解決側に立った人が当事者性を失ってしまうということがあるのではないか。私たち自身が解決者として当事者性を失って来たそのこと自体を考え直さないといけない。

・市民は多様。それを一つの団体で受け入れるのは不可能。いろいろな団体があって、いろいろな受け入れ口があって、はじめてそれがつながっていく。


参加者からは、「市民参加」について議論したこと、言語化をしたことがなかったという声がありました。「参加と課題解決のバランス」、「当事者性をどう育むかなど」、今後より深めたい論点が提示されました。今後もいろいろな方と議論をしていきたいと考えています。


(国内助成グループ プログラムオフィサー 喜田亮子)

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