公益財団法人トヨタ財団

トヨタNPOカレッジ「カイケツ」

トヨタNPOカレッジ 「カイケツ」第2期第3回レポート【現状把握】

kaiketsu
カイケツ


情報掲載日:2017年7月13日

トヨタ財団は6月15日、トヨタ自動車の問題解決手法をNPO向けに伝える「トヨタNPOカレッジ カイケツ」第3回を開催しました。今回は、「問題解決」の8ステップの2つ目「現状把握」。17団体の代表が4グループに分かれて、「あるべき姿」に対し、どのようなギャップ(問題)があるか、講師とともに現状把握を行いました。その模様をレポートします。

講座の様子
登場人物や仕事の流れ、時間軸など全体像を「見える化」していく古谷講師

「現状把握」とは、現状の姿を客観的かつ定量的に認識すること。「ありたい姿」に対して、どのようなギャップ(問題)が起きているのかを整理し、重点的に取り組む問題を絞り込んでいきます。

講師のトヨタ自動車業務品質改善部・古谷健夫主査は「ストーリーテリングが大切」として、現状把握をする際に、登場人物や仕事の流れ、時間軸など全体像を見える化し、「どこ」で問題が起きていそうか、参加者と整理していきました。

問題は「4W」で整理

講師からテーマ選定の方法について指導を受ける
ブートピア代表理事の瀬下翔太さん(右)は高校生向けの「教育型下宿」を展開しています

NPO法人bootopia(ブートピア/島根県津和野町)の代表理事・瀬下翔太さんは、津和野町に移住し、2017年4月に高校生向け「教育型下宿」を開始しました。

過疎・人口減少が進む島根県は、県外から生徒を呼び込み、島根県立高校に入学してもらう「しまね留学」に力を入れています。2009年のしまね留学の生徒数は50人でしたが、2015年には151人に増えました。

ブートピアは、津和野町の観光宿「縁の宿 幸楽」と連携し、島根県立津和野高校に在学する生徒5人に教育型下宿を提供しています。旅館の稼働率を上げるとともに、高校生の学習支援を行っています。高校生には地域活動に参加してもらうなど、旅館から津和野町を元気にしていくことを狙いとしています。

ところが、オープンから2カ月が経ち、毎日の生活のなかで運営面の問題が出てくるようになりました。

現状把握として1日の動きを確認してみると、夕飯やお風呂の時間など、ちょっとしたずれが日々起こり、旅館の負担が大きくなっていることが分かりました。コーディネートを行うブートピアも管理業務に追われ、本来の学習支援に手が回らなくなってきています。

そこで、解決したい問題のテーマを「下宿事業の生活管理における指導(時間)コストを短縮し、学習プログラム開発の時間をつくる」に設定。講師の改善QA研究所・杉浦和夫氏(元トヨタ自動車)は「合わせて、本来何をすべきなのか、本業は何かを明確にしていく必要がある」とアドバイスしました。

対策の効果を上げる、現状把握のコツ

「現状把握」以降のステップには、「目標設定」「要因解析」「対策立案」があります。実際に現状把握を行い、さまざまな問題を見つけると、それを解決するようなアイデアをすぐに実行したくなります。

スピード感や実行力が大事な一方で、講師ののぞみ経営研究所・中野昭男所長(元トヨタ自動車)は、「現状把握を行うと、問題が特定でき、その問題に対する対策立案の質が変わってきます。その対策が正しかったかどうか、検証もできるのです。対策にいきたい気持ちをぐっとこらえて、問題に向き合ってほしい」と話しました。

NPOは社会的課題の解決を目指し、日々業務に励んでいます。

講義する山元代表取締役COO
事例を挙げながら、現状把握を進める藤原講師

トヨタ自動車業務品質改善部第1TQM室の藤原慎太郎主査は、「ありたい姿に対し、ギャップ(問題)が大きいと、テーマや解決すべき問題が抽象的になりがちです。現状把握では、問題を分解し、小さい問題から取り組んでいくとやりやすい。そこで得た学びをさらに次の問題解決に生かしていくことが大切です。現状把握では、4W(何、いつ、だれ、どこ)の層別に、問題整理をしていくと分かりやすくなります」と言います。

カイケツの第4回は7月13日に開催します。問題を解決するための3つめのステップ「目標設定」を行い、どこで、いつまでに、何をやるのかを決めていきます。

(記事執筆:株式会社オルタナ 吉田広子氏)

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