トヨタNPOカレッジ「カイケツ」
2019年度トヨタNPOカレッジ「カイケツ」講座
情報掲載日:2019年3月7日

「カイケツ」
第4期
カテゴリNOctgr08
トヨタNPOカレッジ『カイケツ』のご案内
トヨタNPOカレッジ「カイケツ」で学ぶのは、トヨタの「問題解決」という手法です。トヨタ自動車では、新入社員の時からこの手法を学びます。生産現場だけでなくあらゆる組織や事業に応用可能な手法です。
本講座では、社会的課題の解決に取り組むNPO等の非営利組織を対象に、「代表者に仕事が集中する」、「業務効率が悪い」、「業務品質がばらつく」など、事業を進めていくうえで発生する問題を解決していく力を身につけ、地域や社会の課題解決の担い手としてより大きな成果を出していただくことを目的にトヨタの「問題解決」手法を学ぶ講座を開催します。
講師を務めるのは、トヨタ自動車で長く品質管理に携わってきたトヨタ自動車業務品質改善部主査・古谷健夫氏のほか、経験豊富な講師陣です。また、「問題解決」の講座以外に希望者を対象にしたオプショナル講座も開催予定です。
講座概要
- 参加費
- 無料
- 定員
- 20名(5名×4グループ)
- 申込方法
- 本年度の募集は締め切りました
- 参加条件
- ・社会課題の解決に取り組むNPO等の公益組織(所属組織の法人格の種別・有無は問いません)
・1名以上の常勤職員のいる組織。1年以上の活動実績のある組織
・組織の代表など中核を担う人材
・学んだことを現場で実践し、問題解決のために取組める方
・全回参加できる方(ただしやむを得ない場合は同組織から代理の方が参加してもかまいません)
・1組織2名まで参加可 - 申込締切
- 4月8日(月)
※定員を超えた申し込みがあった場合は、選考の上、4月中に参加者を決定します - 開催場所
- 新宿三井ビル 東京都新宿区西新宿2丁目1-1
トヨタ自動車東京本社 東京都文京区後楽1丁目4-18 - ちらし
- こちらからちらし(1473KB)
をダウンロードできます。
プログラム
開催回 | 日時 | 会場 | 内容 |
---|---|---|---|
第1回 | 2019年5月13日(月) 13:00-17:00 終了後懇親会 |
@新宿三井ビル 29階会議室 |
・ガイダンス、参加者自己紹介 ・「トヨタの問題解決概要」講義 8 ステップ全体を学ぶ 講師 古谷健夫氏 (トヨタ自動車株式会社業務品質改善部 主査) |
第2回 | 2019年5月14日(火) 10:00-15:00 |
@新宿三井ビル 29階会議室 |
・グループワーク/個別指導 「テーマ(取り組む業務上の課題)の選定」 |
第3回 | 2019年6月13日(木) 13:00-17:00 |
@新宿三井ビル 29階会議室 |
・グループワーク/個別指導 「現状把握・目標設定」 |
第4回 | 2019年7月18日(木) 13:00-17:00 |
@新宿三井ビル 29階会議室 |
・グループワーク/個別指導 「要因解析」 |
第5回 | 2019年8月8日(木) 13:00-17:00 17:30-18:30 |
@新宿三井ビル 29階会議室 |
・グループワーク/個別指導「対策立案」 ・オプショナル講座「広報」 |
第6回 | 2019年11月29(金) 13:00-17:30 |
@トヨタ自動車 東京本社 |
・成果発表会 |
講師プロフィール
(株)クオリティ・クリエイション代表取締役
古谷 健夫氏
東京大学工学部産業機械工学科卒業。トヨタ自動車工業株式会社(現:トヨタ自動車株式会社)入社、TQM 推進部長、本社工場品質管理部長を経て現職。中小企業診断士。デミング賞審査委員。著書に『“質創造”マネジメント― TQM の構築による持続的成長の実現』中部品質管理協会編、監修・共著(日科技連出版社 2013年9月)がある。新著『問題解決の実践: 働く喜びに溢れる社会を目指して』(日科技連出版社 2018 年1 月8 日)では、カイケツ受講生の事例も紹介している。
※古谷氏に加え、日野自動車TQM推進部の鈴木直人主査、のぞみ経営研究所(元トヨタ自動車)の中野昭男所長、中部品質管理協会企画部の細見純子次長の4人が各グループで個別指導します。
トヨタの問題解決
1~5までをグループ単位で個別指導を行い、11月の成果発表までに 6 対策実行~8 標準化と管理の定着までを実践して頂きます。
- テーマ選定:
- 改善したい課題を1文にまとめるステップ。テーマを読めば、改善の狙いが理解できるように表現します。「どこで」「何を」「どのように」の3項目を具体的に書きます。
- 現状把握:
- 問題が起きている事実を定量的に把握するステップ。事象をデータ化し、問題点を絞ります。主観ではなく、多くの客観的な事実を集めて定量的に整理します。
- 目標設定:
- 目標を設定するステップ。その目標を達成すると、選定したテーマを解決できるレベルに設定します。
- 要因解析:
- 原因についての真因を探るステップ。事象に対して、5回の「なぜ」を繰り返します。現状把握と混同して考えてしまいがちですが、現状把握では要因は書きません。事実だけをまとめます。
- 対策立案:
- 要因解析で見つけた真因を解決するための対策を立てるステップ。真因ごとに、「対策内容」「担当者」「期限」に分けて記入します。真因への対策をいきなり考えるのではなく、方向性を明確にしてから、アイデアを出していくことがおすすめです。
- 対策実行:
- 実行する対策の内容やスケジュールをまとめるステップ。
- 効果確認:
- 実施した対策内容によりどの程度効果が出たのかを評価するステップ。
- 標準化と管理の定着:
- 効果の出た対策の内容を標準化し、定着させるステップ。同じ問題の再発を防ぐことができます。
2018年度の実績と具体的な内容
カイケツでは6カ月間のプログラムを通して、問題解決のプロセスをA3用紙1枚にまとめます。2018年度は、17団体25人が参加しました。グループワークが中心で、トヨタの問題解決のステップに従い、「テーマ選定」から始まります。現状把握、目標設定、要因解析を行ったうえで、対策立案を検討し、実際にその対策を実行して頂きます。最終的には、11月に開催される成果発表会で組織での取り組み内容について発表して頂きます。
2018年度受講者の声
NPO 法人 Co.to.hana 田中佐也加さん
NPO法人Co.to.hana(コトハナ/大阪市)は、大阪市浪速区で、地域住民の「得意」と困っている人をマッチングする「ひとしごと館」を運営していますが、マッチング率は伸び悩み、活動会員の得意を生かし切れていないという問題がありました。
「仕組みを改善したい」という思いで、コトハナからはコミュニティデザイナーの藤野宏美さん、田中佐也加さんが参加。「活動している会員数を13人から23人にする」をテーマに掲げ、問題解決のプロセスを実行しました。対策として、会員紹介の発信強化や、包丁研ぎ講座やアロマハンドケア講座などを実施した結果、18人がひとしごとに関われている状態に改善しました。
コトハナの田中さんは「毎回、次のグループワークに向けた宿題が出されますが、他のスタッフと一緒に議論しながら宿題を行うことで、気付きが生まれました。これからも地域とのつながりを取り戻す取り組みを続けていきたい」と意気込みを語りました。