公益財団法人トヨタ財団

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研究助成プログラム

2013年度研究助成プログラム 選後評

選考委員長 桑子敏雄

研究助成プログラムの選考について

 本年度の研究助成プログラム「よりよい未来を築く知の探究」は、「社会の新たな価値の創出をめざす研究(共同研究助成A1)」、「社会的課題の解決に資する研究(共同研究助成A2)」、「よりよい未来を築くために(個人研究助成B)」という三つのカテゴリーによって構成されています。どのカテゴリーも、未来志向かつ問題解決型の研究プロジェクトを助成しようとするものです。ともすれば、科学的研究が検証可能な客観的な成果を求めるものとなることを考えれば、本助成は従来型の学問研究を超え出るような野心的な研究プロジェクトを求めていることが分かっていただけると思います。

 本年度の枠組みは昨年度から始まったものですが、昨年度は、従来型の学問研究の方法だけでは助成の趣旨に応える取り組みが難しいと感じられたのか、応募件数、採択件数の両方で不十分な結果となりました。しかし、本年度は、本プログラムの理念を少しずつご理解いただけるようになったものと判断しております。というのは、応募案件のなかに野心的な研究計画をもつプロジェクトが増えてきているという印象をもつことができたからです。

 採択されたプロジェクトは、長時間にわたる選考委員会において、多方面の専門をもつ先生方の間で、多角的に議論した結果です。印象としては、A1の応募案件とA2の案件の間では、どちらに位置付けるべきなのか判断の難しいものもありました。しかし、このことが示すのは、新しい価値の提案を具体的な問題のなかに展望する研究をめざすものが多かったということであると思います。トヨタ財団の目指す助成の方向がみなさんにご理解いただけつつあるということではないかと思います。

 共同研究助成A1のカテゴリーでは、人と自然の関係について、既存のコンセプトに対して新たな意味づけをめざす研究が目立ちました。具体的には、タテワリの行政システムと政策を超えた土壌保全、在来作物の利用と保全による農の豊かさの探究、都市圏でのため池保全による水文化コンセプトの形成などの研究プロジェクトです。

 共同研究助成A2で特徴的であったのは、医療・健康・心のケアの問題に関する研究です。いじめ・心の不調、ハンセン病、放射線汚染地域の人びとの心の問題、変貌するアジアでの家族のあり方など、人間と社会の抱えるさまざまな課題に正面から取り組もうという研究が多かったことが注目されました。

 個人研究助成Bでは、若手、とくに女性のチャレンジ精神に心打たれました。戦争と心の問題、医療文化、都市衛生、犯罪者の更生、アフリカ・スーダンの地域社会の再建などがそのテーマです。深刻な社会問題に取り組むためには、高い志と困難に挑む勇気が必要です。こうした研究に若い研究者が取り組もうとする姿勢はすばらしいものです。とくに、若い女性の研究者が多いのに驚きました。研究の現場では、さまざまなリスクにも遭遇することがあるかと思いますが、ぜひリスク・マネジメントをしっかり行って、よい研究成果を上げていただきたいと思います。
 
 選考結果は、若い女性の研究者が育っているということとともに、トヨタ財団の研究助成への応募が若手女性研究者にとって魅力的であるということを示すものとなりました。学問研究の分野でも男女の共同参画が強く求められていますが、本プログラムの選考結果がそのような方向を示すものとなったことは、選考委員会としてたいへん喜ばしく思っています。

  個人研究助成Bでは、若手、とくに女性のチャレンジ精神に心打たれました。戦争と心の問題、医療文化、都市衛生、犯罪者の更生、アフリカ・スーダンの地域社会の再建などがそのテーマです。深刻な社会問題に取り組むためには、高い志と困難に挑む勇気が必要です。こうした研究に若い研究者が取り組もうとする姿勢はすばらしいものです。とくに、若い女性の研究者が多いのに驚きました。研究の現場では、さまざまなリスクにも遭遇することがあるかと思いますが、ぜひリスク・マネジメントをしっかり行って、よい研究成果を上げていただきたいと思います。
 
 選考結果は、若い女性の研究者が育っているということとともに、トヨタ財団の研究助成への応募が若手女性研究者にとって魅力的であるということを示すものとなりました。学問研究の分野でも男女の共同参画が強く求められていますが、本プログラムの選考結果がそのような方向を示すものとなったことは、選考委員会としてたいへん喜ばしく思っています。 

 カテゴリーBは個人研究ですが、独力ではなく、研究協力者を想定した研究も目立ったように思います。若手でありながら研究グループを率いてリーダーシップをとることはなかなか難しいこととも思われますが、本プログラムは、BからA1あるいはA2への関連も考慮しておりますので、個人研究から共同研究へ発展してゆくということも積極的に考えていただきたいと思います。
 
 若手のみなさんには、研究内容についての研鑽だけでなく、採択されたことを契機に研究プロジェクトを率いるリーダーシップの鍛錬の場としても位置付けていただき、本プログラムが既存の学問研究の枠を超え出るような研究の展開と研究者の育成という点でも力を入れているということをお考えいただきたいと思います。

応募データについて

 本年度の研究助成プログラムの応募件数、助成件数、採択率は、以下のとおりです。本プログラムに採択されたみなさんは、社会に貢献する研究というプログラムの理念を十分にご理解いただくとともに、本財団の優れたスタッフとの連携・連絡によって研究プロジェクトをしっかりとマネジメントしていただきたいと思います。  よい研究成果を期待しています。

                       (括弧内は昨年度)

応募件数 採択件数 採択率
共同研究助成<A1> 126件 (149件) 6件 (5件) 4.8% (3.4%)
共同研究助成<A2> 184件 (226件) 8件 (8件) 4.3% (3.4%)
個人研究助成<B> 327件 (495件) 19件 (21件) 5.8% (4.2%)
合計 637件 (880件) 33件 (34件) 5.2% (3.9%)
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