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プロジェクト成果物レポート

プロジェクト報告冊子「タイにおけるコミュニティを基盤とする高齢者の長期ケアに関する総合的枠組み」が発行されました(国際助成プログラム)

情報掲載日:2015年3月5日

いま、を生きる

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この冊子は2013年度国際助成プログラム助成対象プロジェクト(プロジェクト名は冊子と同じ。代表者:ウォラウェット・スワンラダ氏)の成果として発行されました。

タイは、急激な高齢化に直面しており、2040年には人口の3分の1が60歳以上になると予測されています。従来の先進国とは異なり、タイは「経済面、社会面における成長が完了する前に高齢化が進行する」国の先駆けであり、高齢者のケアは最重要課題のひとつとなっています。

このプロジェクトは、「コミュニティを基盤とする高齢者長期ケア」(=Community Based Long-term Care、以下CBLC)に取り組むタイ国内7県8か所での調査に基づいて、CBLCの成功事例を紹介し、その質の向上に向けた取り組みを提案するとともに、日本の介護制度についても調査、紹介しています。これらを踏まえ、タイ国内の他のコミュニティで導入することができるガイドラインや組織モデルを提示することを目的としています。

冊子では、タイのCBLCの特徴を「3M+I」、すなわち、「人材・組織(Man)」「資金面の持続性(Money)」「経営(Management)」+「高齢者とそのニーズに関する情報(Information)」のフレームワークで分析し、その特徴をまとめています。また、分析結果に基づいて、今後の発展に向けた方向性を次のように提案し、結論としています。

1.    「高齢者長期ケア」の定義は、見守りから治療まで、現状より多様なサービスを含むものにすべきである。高齢者のケアは寝たきりあるいは障がいや医療ニーズのある方だけを対象にするのではなく、高齢者の福祉全般を見据えた包括的ケアに焦点をあてていく必要がある。
2.    国民健康対策局、地方自治体、およびコミュニティの3者の連携で「地域健康基金」が立ち上げられたが、その強化のためには、地方の行政機関やコミュニティの構成員、仏教寺院といった多様な資金源が必要である。
3.    地域レベルでの多様なステークホルダー間の協力や調整力を強化し、リーダーシップの欠如による問題を低減するため、「高齢者のためのコミュニティ長期ケア委員会」のような新しい組織を設置すべきである。
4.    将来的なケア人材不足に対応するため、コミュニティを基盤とする高齢者長期ケアに従事する人材育成に着手すべきである。コミュニティ長期ケアが行われている地域では、高齢者センター、高齢者ケアボランティア、地域保健ボランティアの3グループが主な人材供給源となっている。

「高齢者長期ケア」のタイにおける現状について具体的に整理・分析が行われており、今後、タイ国内の高齢者ケア政策への反映や日本及びアジア諸国での事例比較研究での活用が期待されます。

助成プロジェクトの概要は、助成対象検索ページより【高齢者の長期ケア】で検索してください。

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